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Scene 4
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ドア開閉音。
ラブホテルの一室。
創一 あの...藤崎さん...ここ...
拓馬 悪い、ラブホで。二人きりになれる場所、他に思いつかなかった。お互いの部屋はマズいしな。
創一 ......
拓馬 何だ、二人きりで話したかったんじゃないのか?
創一 あっ、はい...
缶ビール開ける音。
拓馬 気持ちが落ち着いたら話してくれ。待ってるから。
創一 ...俺、入社してすぐくらいに、藤崎さんが、その...
拓馬 社長の愛人だって?
創一 そんな社内の噂を耳にしたんです。確かに藤崎さんカッコいいし、社長とお似合いかなぁって...
拓馬 そりゃどうも...
創一 でも二人見ていると、愛情という空気が漂っていない。だから俺確信したんです。二人は恋人同士じゃないと。
拓馬 ふーん...なかなか鋭いな。
創一 ...その確信を持った日からずっと、俺...藤崎さんのこと、見ていましたから。
拓馬 ずっと...?
創一 はい。
拓馬 つまり、こういうことか?高梨は俺が好きだって。
創一 はい...いつか口説きたいと...ずっと思っていました。
拓馬 へぇー、そうなんだ...でも、無理だよ。
創一 えっ、無理って...
拓馬 俺、男に抱かれる趣味ないから。
創一 ......
拓馬 会長の愛人していたから誤解されるんだけど、俺、受けじゃないから。
創一 ......
拓馬 高梨、君も受けじゃないだろう?だから俺達の関係は成立しない、残念だけど。
創一 ダメ...でしょうか?
拓馬 ダメって、どう考えたって無理だろ?それとも、セックス抜きのプラトニックな恋愛でもしようと?悪いけどそれはゴメンだ。この二年間、特定の恋人を作らず恋愛から遠ざかっていたのは、好きだ嫌いだという恋愛の煩わしさが面倒だったからだし。
創一 でも、始めてみればもしかしたら...
拓馬 いつかは俺が君を受け入れるかもしれないって?(笑う)ないね。断言してもいい。それとも君が俺を受け入れる?ないだろう?だから無理なんだよ。それに、同じ職場は更に面倒だ。俺は会長の愛人だったという経歴があるし、その過去は変えられない。それは君の経歴にも影響してくる。悪いことは言わないから、他に目を向けた方がいいと思うよ。
拓馬、部屋を出て行こうとする。
創一 藤崎さん...
拓馬 ん、何?
創一 キス...して下さい...
拓馬 だから止めておいた方が...
創一、拓馬にキスする。
拓馬抵抗する。創一を振りほどき、
拓馬 だから止めろって!このことは忘れてやるから...
拓馬、出て行く。
創一 くそっ...
忘れてやる...そう言って部屋を出たものの、俺の頭は相当混乱していた。受けじゃない会社の人間。しかも成り行きとはいえ、俺が奪われた形...
拓馬 何なんだ、この展開...
充分遊んできた。本気の恋もした。手練れなはずだ。それなのに、何なんだ...
拓馬 まぁ、明日になったら忘れる...だろ...
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