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Scene 7
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店を出て俺は、何処へ行くという当てもないまま、夜風を受けながら歩いていた。
帰り際郁に言われた言葉が、頭の中で響いていた。
郁 拓馬さんさ、その彼のこと好きなんだよ...自分の気持ち認めることが全ての始まりだよ?...それだけ真剣だってことだよ...
拓馬 郁に言われるとは...形無しだな、俺...
フッと、郁と別れた時のことが、頭を過ぎっていった...
郁 拓馬さんはさ、優しいしカッコいいし、彼氏としては申し分ないよ。でもね...拓馬さんの目にはいつもフィルターが掛かっていてさ、そのフィルターにはいつだって拓馬さんしか映ってないんだよね。僕と話してる拓馬さん、僕にキスしてる拓馬さん、僕を抱く拓馬さん...そこに僕は映ってない...大好きな人の目に映してもらえないって、やっぱり哀しい...拓馬さんはさ、僕が好きなんじゃなくて、僕のこと好きだと言ってる拓馬さん自身が好きなんだよ...でもさ、寂しくない、そんな恋愛?好きな人と向き合えないの、僕は嫌だ...
拓馬 今更何思い出してるんだ...
郁に言われたあの一言...
郁 寂しくない、そんな恋愛?好きな人と向き合えないの、僕は嫌だ...
拓馬 好きな人と向き合えない...かぁ...はぁ、何だこの中途半端な酔い方...今の俺だな...
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