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Scene 15
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それから俺達は...とにかく話をした。ジャンルなんてない。趣味や好みの音楽、好きな食べ物に休日の過ごし方...そんなことを話さなければならない程俺達は、お互いのことを知らなさ過ぎた。そして、決して避けていたわけではないけれど、最終的に辿り着いたのは、やっぱりお互いの性的趣向についてだった。
拓馬 創一はさ、自分がノーマルじゃないっていつ気付いた?
創一 俺ですか?ハッキリそうだと自覚したのは、高校入ってからです。拓馬さんは?
拓馬 俺?そうだなぁ...気付いた時には...って感じかなぁ...
創一 ご家族は?知っているんですか?
拓馬 多分知ってると思うけど、何も言われないなぁ...
創一 そうなんですか...
拓馬 見捨てられたのかも、俺。(笑う)
創一 そんなこと!
拓馬 いや、多分そうだと思う。他の兄弟達は普通に生活してるし、今更俺が出て行って も迷惑掛けるだけだし...社会全体の流れだから仕方ないけどな。だからこそ、好きになった奴とは、真剣に向き合いたいと思う。
創一 拓馬さん...
拓馬 ああ、悪い。こんな話、するつもりじゃなかったんだけどな...
創一 俺で良ければどんなことでもいいです、話してください。拓馬さんのことなら何でも聞きたいです、俺!
拓馬 創一にはカッコ悪いとこ、見せたくなかったんだけどな...
創一 ...郁さんには見せてきたんですよね?
拓馬 まぁ、あいつとは長い付き合いだったから...
創一 だったらゆっくりでいいです。俺にも本当の拓馬さん見せて下さい。拓馬さんと郁さんが重ねた時間、俺どんなに頑張っても埋められないのはわかっています。でも少しでも近づけるように頑張ります...
拓馬 (創一を抱き寄せ)わかった...ありがとうな...
創一 拓馬さん...
創一を抱き寄せながら俺は...創一を押し倒したい衝動を必死に抑えていた。それは創一も同じだったみたいで、背中に回されたあいつの腕から伝わってきた、微かな震えが全てを物語っていた。
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