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クッキングタイム
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早朝4時、キッチンにて。
パンの焼けるいい香りとともに金髪が揺れる。
サ「今日は天気も良さそうだし…甲板で朝食だな。
レディ2人にはパラソルが必要だな」
サンジは鼻歌を歌いながら踊るように手を動かす。
『?♪』
ビンクスの酒。
皆で楽しく飲んで食べて歌った。
楽しい思い出が蘇る。
その一方で、大事なものを失いかけた恐怖も体を駆け巡る。
確かに、この曲を聞くと、、、
大事なものを……大切な人を失いかけた恐怖が蘇る。
だが、それと同時に…あいつが目覚めた時の、喜び、苦しみ、安心、、、すべても思い出される。
あの時あいつが目覚めた時、心から安心した。
良かったと思った。
でも、いつか目覚めなくなる時が来るのかもしれない。
安心と同時に、それを上回る恐怖と不安が俺を包み込んだ。
サ「どうせ誰でも いつかはホネよ 果なし あてなし 笑い話♪…………ははっ…笑えねぇや」
少しテンションが下がりながらもサンジは手際よく作業を続ける。
白くて細い指先が動く度に美しく仕上げられてゆく料理たち。
美味しいと、言ってくれる人達のために腕も振るうのは喜ばしいことだ。
『キィー……』
静かにキッチンのドアが開く音が聞こえた。
いつもよりも少しくしゃくしゃな緑色の髪。
サ「……………んだよ、お前か」
ゾ「あ?悪ぃかよ。てか、なにニタニタしてんだよ」
サ「うるせぇ、何でもねぇよ。悪ぃって言うか、タイミングが悪いんだよ」
そう、うかつにも微笑んでしまった。
今でもこいつはここにいる。
ちゃんとここに立って、息をしている。
素直に、嬉しいと思った。
こいつだけじゃない。
ルフィ、ウソップ、ナミさん、ロビンちゃん、チョッパー……
みんなここにいる。
すると、ゾロはスッ…とサンジの横に寄るとジーッと手元を見つめた。
サ「んだよ、つまみ食いしたら蹴り飛ばすぞ」
ゾ「しねぇよ……ふぁぁあ」
大きなあくびをしながら腹をかくゾロ。
サ「なんだよ…ったく」
サンジはゾロを無視して料理を仕上げてゆく。
ゾ「ジーッ………」
サ「……………」
ゾ「ジーッ…………」
サ「………………………」
ゾ「ジーッ……………」
サ「………………ん゛ぁあぁっ!!んだよ!?
やりずらいわ!なんかあんなら言えよ!!!」
ゾ「………今日のおやつは和菓子がいい」
サ「…………………………………は?」
ゾ「2回も言わせんじゃねぇよ!!」
サ「なんでキレてんだよ!!」
何を言い出すかと思えば。
おやつは和菓子がいいって…………
サ「可愛すぎかよ!?」
ゾ「何がだよ!?」
それより……
サ「なんで和菓子なんて急に」
ゾ「……食べたくなっただけだ。て、手伝ってやるから…今日はそれで頼む」
サ「嘘つくなよてめぇ、何がしてぇんだよ」
ゾ「嘘はついてねぇ」
サ「「は」ってなんだ「は」って」
何がなんだかさっぱりわからんが、こいつがなんか隠してるというのはわかる。
サ「お前な、俺に嘘ついてバレないと思ってんのか」
ゾ「それお前がいうのか」
サ「う、うっせぇよ!それより何なんだよ。」
ゾ「いや……なんつーか………餌付け?」
サ「なんでお前が疑問形なんだよ」
…………ん?餌付け?
サ「誰かにやるのか??」
ゾ「まぁ……そうだな」
なんでだ。
サ「なら最初からそういえ。そして誰にやるんだ」
返事によっては蹴り飛ばすぞ。
ゾ「おんn」
サ「だぁぁっ!!」
寝起きでボーッとしていたゾロは見事に壁にめり込んだ。
え?ゾロならよけれるだろって??
そう、彼は彼に甘いんです←
サ「なんでてめぇが女にやるプレゼント作りを手伝わにゃならん」
ゾ「あ?別にプレゼントってわけじゃねぇ。いうなら菓子折りだ。」
ゾロは壁にめり込んだままそう言ってため息をついた。
サ「菓子折りぃ???」
サンジは頭にポポポポムッと『?』を浮かべた。
く
ゾ「別にあれだ、プレゼントとか、そういうめでてぇことじゃねぇよ」
サ「あー、そうですか。どこぞの姐さんに手ぇ出したのか(棒)
あー、汚らわしい。寄るな腐れマリモ」
ゾ「あぁ?なんだそりゃあ」
ゾロはわざとらしくサンジに近づいてゆく。
サ「よるな……って…いってんだろうが」
サンジは、ゾロが近づくだけでカァァっと真っ赤になる。
……くっそ…
何を考えてんだ俺は……
何されるんだろう……って!期待なんかしてねぇ!!
……あ、誰に言い訳してるんだ俺…
は?!言い訳じゃねぇ!ホントに期待なんかしてねぇよ!?
だが、サンジはかなり顔に思ってることが出るようで…
ゾ「そりゃ聞けねぇな……チュ」
サ「んっ……んんっ!ん!……ぷはっ!やめ…ろってんだよ!!なにかとちゅぅちゅぅ吸い付きやがって!!
蚊か何かかてめぇは!!」
ゾ「あ?うるせぇな、てめぇこそすぐにガァガァガァガァわめきやがって。アヒルかてめぇは」
サ「うるせぇマリモ!!」
ゾ「てめぇ、いい加減にしねぇと窒息させんぞ」
サ「は!?……ばっ、馬鹿じゃねぇの!?……ってええ!?」
ゾロはサンジの後ろに回ると首に腕を回した。
サ「はぁぁぁ!?…ちょっ……まっ……えぇ!?」
ゾ「あー?絞められてるわりには元気だな」
サ「いや、だってこの状況で窒息ってフツーこれじゃねぇだろ!?……って……あ」
ゾ「あ?……なるほど、なんか期待してたってか?」
ニヤリ……と笑うとゾロはサンジに近づいてゆく…
が、ここで作者は力尽きるのであった。
ゾ「てめぇこのやろー!!!!」
サ「はぁ!?!?なにがぁ!?ビクゥッ」
ゾ「こっちの話だゴルゥァア!!」
サ「はぁぁぁ!?」
つづく……
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