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雨露に濡れた思い出
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医師×高校生
(体調不良、過呼吸)
窓の外に目を向けると
薄暗い外の景色
雨が降っている
しんしんと
こんな日はあの日を思い出させる
息が、苦しい
深呼吸をしながら
胸に手を当て息を整える
意識すればする程息苦しさは増す
何かあったら呼んで
そう言われ
枕元に置かれたナースコールに手をかけようかと思うが
彼にまた心配をかけたくない
そう思い俺は苦しさに耐える
苦しさとともに嫌な思い出も思い出される
真っ暗闇
ぐちゃぐちゃな光景
赤く染まったその光景
どぉおんと雷が鳴った
あの時と、同じ
また
あの時が、くる⁇
息が切れ切れになってくる
ぜぃぜぃと言う耳障りな呼吸音
苦しい
気持ちが悪い
胃の不快感が訪れる
げほげほと咳がもれる
苦しい
苦しい
苦しい
背を丸め
胸をぎゅっとしても何も変わらない
目に涙が溜まってくる
何処からか駆け足の音が聞こえる
がらりとドアが開く
彼が俺の元へくる
「馬鹿っ、何かあったら、呼べって…」
彼はそう言って俺を責めた
「だって、だっ………」
心配かけたくないんだ
目から涙が溢れ出す
「あー、はい、落ち着け。オレに呼吸あわせろ。」
責めてごめんと言って彼は俺の涙を拭った
そして俺の呼吸を整えようと試みる
「吸ってー、吐いてーはい、ふっー」
げほげほと咳がもれるも息が整っていく
苦しさから解放されていく
「一人で抱えるな。アレはお前のせいじゃない。」
呼吸が整うと
彼はそう言って、俺の手を握り
俺の額に自分の額をコツンと当てた
「大丈夫。大丈夫。お前は大丈夫。」
そう俺に念じる
その言葉に安心する
大丈夫だ
俺は…
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