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熱い吐息は甘い言葉を
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大学生×大学生
(体調不良、発熱)
目が覚めると
喉の違和感があった
けほりと咳が漏れる
ヤバい、風邪だ…
薬を飲んででも
今日中に治さないとな
明日からは大事な実習が始まるし
そう思い
薬を飲むための食料を探しに
ベッドからもそもそと降りると
台所へと向かう
動くのも怠い
コレ、熱出るかも
そう予感した
冷蔵庫を開けると
消化によさそうな物なんて入っていない
はぁとため息を吐く
買い物に行くしか無いか
一人暮らししてると
こんなコトが起きる
何もなくて
体調悪くて
一人で何かをしなくちゃいけない
近場だし、着替えなくてもいいだろう
Tシャツにジャージ
寝巻きにしているTシャツは首がくたびれている
でも、誰が見るわけでも無いし
春とはいえまだ寒い
上にパーカーを羽織り
マスクをかけ
財布を持って外に出る
マンションからでて
数メートルもしない所にあるコンビニ
近いけど、今は遠い
起きてそんなに時間は経ってないが
体調が悪化しているコトが分かる
コンビニに着くと
スポーツドリンクとスープ、お粥を買った
家に帰ると温めてもらったスープを飲む
温かさが身にしみる
家にあった薬を開けスポーツドリンクで飲み込んだ
ソファーで天井を眺めていると
いつの間にか眠気に襲われて眠っていた
ぐっちょりとした気持ちの悪さに目が覚める
汗で服が濡れていた
熱が上がってきているのかぞくりとする
着替えなきゃ
そう思い立ち上がると足がもつれた
どてっとその場にこける
痛い…
なんかすごい惨めだ
机の上に置かれた携帯が鳴った
友達からの電話だ
のろのろと電話をとる
「ご飯いこーぜ。」
いつも元気なそいつの声が耳に響く
「ごめ……けほっけほっ…いけない……」
「アレ⁇風邪ひいた⁇大丈夫か⁇」
「大丈夫……じゃ、ねぇ……」
なんか、携帯越しといえ人が恋しかった
大丈夫というはずが、それを否定していた
何やってんだ、オレ
「え⁇今から、行くわ。」
「あ…違う。ごめん。大丈夫。」
焦る相手にオレは先ほどの台詞を否定する
コレ以上電話していると
助けを求めそうで
相手に迷惑かけそうで
強制的に電話を切った
ぺたりとその場に崩れる
床に頬をつける
冷たくて気持ちいい
汗だくなのも忘れ
オレはそこで眠りについていた
目が覚めた時
なぜかオレはベッドにいた
汗に濡れた服は着替えさせられていて
額には濡れたタオルが置かれていた
「あ…起きたか⁇」
先ほどの電話の相手が目の前にいた
嬉しくて涙がでる
そばに誰かがいてくれてる
「どうした⁇気分でも悪い⁇」
涙を拭いながら相手がいう
違う、違うんだ
ふるふると首を横に振る
「嬉しくて……。」
「そうか、いつになく素直だな。」
相手はそう言ってオレの頭を撫でた
心地がいい
「お粥、食べれる⁇」
相手が問いかける
こくんと頷くと相手はにこりと笑い
じゃあ、温めてくるなと言って
その場を離れた
なんか、寂しい
少しすると相手は戻ってきて
「熱いから気を付けて食えよ。」
と言ってオレにレンゲを渡す
なんかなぁ
「食べさせて‼︎」
「は⁈」
アレ、今、オレ、何を言った⁇
相手が驚いている
「あー」
口を開けて求める
何してるんだ、オレ
でもなんか、なんかこうしたい
相手は少し戸惑ったが
レンゲに粥を少し取ると
ふぅふぅと息を吹きかけ
オレの口にそれをいれてくれる
嬉しい、美味しい
食べ終えると眠気が襲ってきた
ぽふりとベッドに背を預ける
「薬、飲んで…」
相手がいうけど
閉じた瞼は開かない
もう、眠い
「……ん…」
唇に柔らかいものが当たる
口の中に冷たいものが流れ込む
キスされたんだ
それは分かったが
驚きもしなければ
嫌な気もしなかった
ごくんとそれを飲むとオレは意識を手放した
「いつもこうだといいのに。」
最後に相手が呟いた気がした
そして、次の日目が覚めると
相手はおらず
身体の怠さもなかった
相手に迷惑をかけた気がするが
記憶がない
「おはよ。」
大学につくと相手が挨拶をする
「おぅ。」
短くそう返す
「昨日のお前可愛かったぜ。」
相手はそういう
「はぁ⁇」
何を言っているのか分からない
何も覚えていないオレに
相手は昨日のコトを伝えた
覚えていない
けど、何か記憶にはある
オレは耳を真っ赤にする
「いつもあんだけ甘えてくれていいんだぜ。」
相手はそう意地悪くオレの耳に囁いた
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