アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
振り払った手さえも
-
小学生×高校生:義兄弟
(頭痛)
ソファーに寝そべって
漫画を読んでいると
ずきっとした痛みが走った
漫画を床に置き
こめかみを押さえ痛みを抑えようとするが
一度始まった痛みはおさまることを知らず
ずきずきとオレの頭を苦しめる
「……ってぇ…」
痛みに声が出る
その声に気付いたのはお前だった
床に広げたお絵描き帳を放ってオレのところにくる
「顔色悪い」
お前はそう言って
オレの顔を覗き込む
あどけないお前のまん丸とした目が鬱陶しい
「頭、痛いの⁇」
お前はそう言って
オレのこめかみにやった手に触れる
その振動に
痛みが増強する
「っ……触んな」
オレはそう言ってお前の手を振り払う
急に跳ね除けられて
お前はびくっとして
目に涙溜めて
なんだよ、ホント
「にぃ…に……痛そ…だから」
溜まった涙が零れる
心配するのはいいけど
鬱陶しい
オレはお前のコト
兄弟なんて認めたくないんだ
母さんを奪った
男の子供なんて、うざったい
「にぃ…に…」
うるさい
うるさい
うるさい
うるさい
うるさい
オレはお前を認めない
「黙れ‼︎」
オレはそう言い放つ
大声を出したせいで
頭痛は悪化し目の前にはキラキラとした閃光が飛び交う
あぁ、やっべぇなぁ…
オレはぎゅっと目を閉じ
腕で目を覆った
それから、気が付いたら少し気を失っていた様で
唇に感じる冷たいもので目が醒めた
まだ重い目を開け
その感触を確かめる
お前がオレの唇を奪い
口の中の何かをオレに飲み込ませようとしていた
オレは驚きでばっと上体を起こした
吐き出そうとしたそれは思いがけず飲み込んでしまう
突然、立ち上がったせいで
跳ね除けられたお前は
また目に涙を溜めていたがじっとオレを見つめていた
鬱陶しい
「何、した⁇」
唇を拭いながらお前を見る
「薬……にぃにぃが痛そうだったから、ママに言ったら薬…って……」
だからと言って
口付けで渡すやつがいるだろうか
オレははぁとため息をついた
「にぃに、まだ、痛い⁇」
心配そうに見つめる瞳
邪険に扱われているのに
純粋過ぎて嫌になる
あぁ、もうお前には敵わない
オレはそう思うと
上体をまたソファーに倒し目を閉じた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 143