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キミに会いたいこの瞬間
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社会人×社会人
(発熱)
40.0度
液晶が表示した数字を見て
溜め息を吐く
怠いとは思っていたけど
その表示を見てさらにくらりとする
今日はゴールデンウィークの始まりで
大学生までずーっと一緒にいたキミと久しぶりに会えると約束した日なのに
キミには無理してでも会いたい
そう思い
のろのろと支度を始めようとするが
頭がふらふらして
もうベッドからの移動は難しい
キミに会いたいのに
でも、こんなオレをキミは心配しちゃうよね
オレはまた大きく溜め息を吐き
枕元の携帯に手を伸ばした
LINEを開き
ーごめん、いけなくなった
そうキーを押した
目には涙が溢れ
文字が歪んで見える
コレは熱のせいか
キミに会えないせいか
既読がついた
ーどうした⁇
すぐに返される返事
ー用事できちゃって…
オレは嘘をつく
キミを心配させたくなくて
既読がついて
返事が返ってくるかと思うと
表示されたのは
電話の通知
ぴろんぴろん音を立て
キミからの電話を告げる
オレは通話ボタンを押し
それにでる
「もしもし」
「もしもし⁇何だよ、用事って。」
電話越しに聞こえるキミの声
あぁ、キミの声だ
「いや、ちょっと……親に…ぐすっ……呼び…ぐすっ…ださへて……」
キミの声に安心したのか
溢れていた涙が溢れて
鼻さえも垂れてぐずぐずとなる
「お前、泣いてんの⁇」
「泣いて…ぐすっ…な…い」
「いやいや、泣いてるだろ。不幸でもあった⁇」
親に呼びだされた
泣いている
それでキミが連想したのはそれ
確かにそうともとれるかも
「ちが…くて…ぐすっ……ちょっと…用事」
「ふーん、まぁ、いいや。じゃあ、また、会おうぜ。」
電話が切られる
あぁ、会いたかったな
オレは切れた電話を枕元に置き直し
枕に頭を埋めて眠った
「やっぱりねー、そういうことね。」
夢の中でキミの声がした
額にひやりとした物がのせられた
気持ちいい
「変だと思ったんだよ。この、馬鹿が。」
ぎゅっと頬がつねられた
ぼんやりと目を開ける
目の前にはキミがいる
何で、キミがいるの⁇
きっと、コレは、夢……か……
「会いたか…っ……た」
オレは目の前のキミに手を伸ばす
夢なら甘えてもいいでしょう⁇
「俺も会いたかったよ。」
キミはオレの手に応えてオレをぎゅっと抱き締める
キミの匂い
キミの温度
涙が出た
「泣くなよ。」
ぺろりと涙が舐められる
だって、キミに会えて嬉しかったんだ
オレはキミの胸の中に顔を埋めた
大好きだよ
オレはそう思い夢の中でまた眠りにつく
キミがいる、幸せ
そして、目覚めた時
目の前にはキミがいた
夢だと思っていたのに
キミが寝息を立てて
オレの横に眠っている
抱きしめていてくれていたのか
ぎゅっとオレを抱いて
また夢なのか
オレはキミの頬をつねる
キミは痛みに顔を歪め
目を開けた
「目、覚めてすぐすることか⁇」
キミの口が開かれる
キミの声
本物だ
「え⁇何で⁇」
「お前、熱出るとなくじゃん。だから、まさか…と思って、合鍵で、さ。」
キミがオレの頭を撫でながらそういった
何かあった時にと渡していた合鍵
それがココで使われようとは
「会いたかった。」
オレはそう言ってキミにまたぎゅっと抱きつく
「お⁇まだ、熱ある⁇」
オレに応えながらも
そう言うキミ
熱は下がっていたけれど
そう言うことにしておこう
今はめいいっぱいキミに甘えたい気分なんだ
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