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指切りげんまん
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高校生×高校生
(病気、嘔吐、死ネタ⁇)
退院したら一緒に遊園地に行こう
ジェットコースターから始まり
観覧車で終わる
恋人同士の王道をしよう
そう約束したよね
そして今日が約束の日
「そんなに走るなって。」
はしゃいで入り口に向かう僕に君がいう
こけるよ⁇とかいうけど
こけたっていいし、どうなったっていい
「もー、遅い‼︎早くっ。」
早く行きたい
早く君との約束を叶えたい
君は呆れたようにはいはいと言って
でも、危ないからって手を繋いで
入り口を通過した
そして、目当てのジェットコースター
すっごい行列
並ぶのは嫌いだよ⁇
けど、君とならいいんだ
並んで喋って
楽しい
こんなに君と話したかった
順番が回ってきて
初めてのジェットコースターに乗る
怖くてぎゅっと目を瞑ったところもあったし
今まで出したことのない悲鳴をあげたところもあった
けど、君がずっと手を繋いでてくれて
すごくすごく嬉しい
それからいろんなアトラクション巡ったね
昼になって
ご飯を食べようとなって
二人でハンバーガーを頼んだ
初めてのハンバーガー
これも食べたかった
でも、疲れからかな
美味しくて、食べれるのに
食べたいのに、食べにくい、や…
君は無理しなくていいよとか気を使ってくれたけど
でも、無理しなきゃ
心配する、でしょ⁇
だって、だって、だって
僕は、元気になったんだから
だって、だって、だって
僕は、元気になったから退院できたんだから
最後の方はウーロン茶で流し込むように食べた
君は頑張ったねとか頭を撫でてくれたけど
頑張ってなんかない、これが、普通
それから、またアトラクション
君は休もうって言ったけど
休みたくないからアトラクション…
君の言葉聞けばよかった
森の中をゆっくりと乗り物に乗ってまわるアトラクション
楽しかったのに、楽しめなかった
最後に近付くにつれて
なんか、気持ち悪くて
「顔色悪いから、休むよ‼︎」
次、行く‼︎って言ったのに
さすがにバレた
そんなに顔色に現れたか
なんて…
人気のないベンチに座って君の膝枕
気持ち良いけど気持ち悪い
ぐるぐると世界がまわる
大丈夫、大丈夫、良くなる
そう暗示をかけるけど
あぁ、無理そう
口元を手で覆う
「吐きそう⁇」
君が心配そうにといかける
あぁ、自分の身体が嫌になる
頷きたくないけど、頷かな、きゃ
こくりと頷くと君は用意周到で袋を鞄から取り出し
僕の口に寄せた
吐きたく、ない、な
そう思うのに
唾液が口に溜まって
酸っぱいものがせり上がってきて
「……っ………う………」
唇を固く閉めるのに
閉めようとするのに
せり上がったものは勢いを増して
「我慢しないで。」
君はそう言って背をさすってくれるから
僕は反射的に全てを吐きだした
「うっ…うえっ………げほっ…げほっ…うっ………」
先ほど食べたものが未消化のまま吐き出される
あぁ、嫌になる
目には生理的な涙がでてきて
何度も何度も吐き戻した
はぁはぁと息が荒れた
落ち着くまで君は背をさすってくれて
気持ち良かった
落ち着くと君は水を口に含んでくれて
うがいをさせてくれた
「落ち着いた⁇」
優しく頭を撫でてくれた君に頷く
「帰ろう、か。」
君が言う
でも、観覧車、乗ってない
僕はふるふると首を横に振る
「だって、また、気持ち悪くなっちゃうよ⁇」
君は言う
いい
どうなったって、かまわ、ない
「かんらん、しゃ…だけ、でいい、か、ら……」
僕は目に涙を溜めて君に言う
君ははぁと溜め息を吐いたが
「分かった」
そう言ってくれた
そして、観覧車
君の隣で君にもたれて
気持ちの悪さはあるけど
嬉しくて涙が溢れる
その涙に君は「大丈夫⁇また、吐きそう⁇」って聞くけどそうじゃ、ないんだ
嬉しいんだ
嬉しくて
嬉しくて
「ねぇ…」
「何⁇」
「また、一緒に来よう」
頂上で僕は言う
そして、君にキスをした
君はそのキスに応え
「もちろん」というと微笑んだ
あぁ、嬉しくて死んでしまいそう
ううん
もう、死んでも悔いないや
ありがとう
大好きな君
これが最後になるけど
けど、君と約束を果たせた
それだけがすごい嬉しい
本当はこの約束も果たしたかった、な
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