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熱い日差しの下で
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高校生×高校生
(嘔吐、熱中症)
いつも通りの仮病で
木の影からみんなを見守る体育の授業
日光はかんかんと照っていて
影にいながらも
汗は止まることを知らない
みんなは何が楽しくて
あんなにも汗をかきながら
ボールを追いかけ回し
無邪気そうに走り回っているのか
一向に理解ができない
見学、とかじゃなくて
保健室でサボっておけば良かったな、なんて
今更になって後悔してる
早く終われよ…
そう思っていると
一人が俺の傍に寄ってくる
確か、隣のクラスの奴、だった、か⁇
「よぅ。」と手を挙げ挨拶すると
相手も「おぅ。」と手を挙げ挨拶を返した
しかし、その声も手にも覇気がない
どさりと俺の傍に座り
はぁとため息を吐く
「大丈夫、か⁇」
明らかにおかしい相手に声をかける
「大丈夫。大丈夫。ただの寝不足で熱にやられただけだと思うから…。」
にへらと笑って答える彼は
尋常じゃないほど汗をかいていて
息もはぁはぁとしんどそうだ
「大丈夫そうに、見えないんだけ、ど⁇」
「だいじょ……っう……」
相手は眉間に指を当て呻いた
これのどこが大丈夫だというのだろう
俺は立ち上がると
相手の腕を引く
「此処も暑いから、保健室行こうぜ。」
俺も行きたいし、なんて言葉も最後に付け加えたい
「そう、だ…な……」
手を引かれ立ち上がる相手は
立ち上がった瞬間
俺の胸にダイブしかける
おいおい、本当、コレ大丈夫じゃねぇよ
「ごめ、くらっとしたわ。」
「お、おぅ。行こうか。俺に寄っかかってくれていいし……」
そう言って
相手を寄りかからせて歩き出す
相手の方が堅いもよく
相手がふらつくたびに俺もふらつくが
俺がいなければ倒れてしまいそうな相手
保健室まで持つかな…とか考えてしまう
よたよたと何とか保健室まで到着
保健室の扉を開けると
中から涼しい風が吹いてくる
天国としかいいようがない
「失礼します。」
と声をかけるが何の反応もない
先生の机の上には職員室に行っていますのメモ書き
カーテンが開かれたベッド
そこに相手を寝かせる
相手は仰向けに寝転がると
「うぅっ。」と声を漏らし
腕で目を覆った
布団をかけてやろうと思ったが
熱いらしく拒否された
さて、どうしたらいいんだろう…
そう考えじっと相手を眺めていると
相手が横向きに体を捩りけほりと咳をする
「ちょっ、大丈夫か⁇」
慌てて何もできない俺
相手は背を丸めぴくりと痙攣し
げほげほと強く咳が零したかと思うと
その場に嘔吐した
「う……うえっ…げほ…げほ………」
真っ白なシーツが嘔吐物で汚れ
据えた臭いが広がる
相手は咳が止まったかと思えば
息を整えようと息を吐き
息が整ったかと思えばまた咳をしだし
嘔吐を続けた
「ちょっ、えっ…⁇」
もう俺はパニックで何もできない
そして、起こした行動は
職員室に走っていた
「せせせせせせせんせ、やばいやばい……体育が倒れて、あいつが日光で……保健室が……」
はちゃめちゃな発言
職員室の戸を開けてすぐに放った発言で
その場にいた先生らはみんな聞いていた
どうした⁇みたいな目が注がれて
保健室の先生が感づいてくれて
「急病人ですね⁇」
と、俺の手を握り聞いてくれて
俺はこくりと縦に首を振った
保健室に先生と走り相手の元へと行く
相手の嘔吐はおさまってはいたが
シーツは大惨事で容量を超えた嘔吐物がぽたりぽたりと床へとたれていた
相手の目は虚ろではぁはぁと荒い息を繰り返している
先生が相手の診察をする
「熱中症…ですね…」
そう告げると
相手に氷嚢を抱かせる
口元に洗面器を当ててやり
水で口をゆすがせ
スポーツドリンクを飲ませてやる
さすが、先生で手際がいい
俺って何していたんだか
処置が終わると先生は教室に帰るようにいった
しかし、相手が気になりすぎて傍にいた
相手はどれだれ苦しい時間を過ごしただろう
やっと呼吸が落ち着いた頃に
焦点のあった目を俺に向け
「ありがとう、な…」
なんて言葉を漏らす
俺、何もしてない、のに…
ふるふると首を横に振れば
相手は言葉を紡ぐ
「保健室に連れてきてくれたし、先生呼んできてくれたじゃん。お前がいなかったら、オレ、助かってないから。ありがとう。」
なんて、大袈裟な相手
にっと笑って、その笑みがかっこいい
なんか、相手にときめいたその一瞬
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