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傍にいるのに気が付かない
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大学生×大学生
(嘔吐、吐血)
吐いて、吐いて、吐いた
「お前さ、流石に飲み過ぎだって…」
飲み屋を出て家路に向かう途中
人気のない道路の側溝に吐く自分
それを見ながらずっと背をさすってくれる友人
今日、オレは
ずっと思いを寄せていた人にフラれた
何度もデートもいったし
何度も関係をもったし
何より
誕生日もイベントも一緒に過ごしたのに
それなのに
付き合ってくださいに対して
無理です、ごめんなさいはないと思う
「だって……だっ…うえっ…うえぇぇぇえ…ふぅ…おえっ……」
ぼろぼろに泣きわめいて吐き続ける自分
情けない
さっきもずっと泣き続けて、飲み続けて
友人に聞いてもらって
また、泣いて泣いて
吐いて吐き続けているなんて
「次があるから、さ…一回のことでくよくよすんなって……」
「うっ…そう…そうだと……うえっ……信じ……てる……」
そうであって欲しいし
そうありたい
でも、それに心はついていかなくって
あの人と付き合いたかったって
心の中はそれで埋め尽くされている
こんな心を本当に誰かが埋めてくれるんだろうか⁇
「うううっ……けほっ……うえっ……」
なんとも言えない色した嘔吐物に
不意に吐き出された赤い吐物
それは赤い個体ではなく、赤い液体
「え……⁈」
それを見て俺は涙が止まったし
友人は背を撫でる手が止まった
血を吐い、た⁇
それを見て恐ろしかった
また、次に吐いたそれも血の色をしていて
口の中も血の味がした
「え…うえっ…えっ……俺、俺…………」
「大丈夫…大丈夫だから、病院行こう。」
焦る自分に焦っているけども冷静に考えてくれる友人
血を吐いてくらりとした
死んじゃうんじゃないかとも思った
友人が電話を使って救急車を呼ぶ
救急車が着くまでにもまだ俺は吐いた
そして、救急車が着いて
病院に運ばれて
先生に心配されるどころか怒られた
飲みすぎですって
飲みすぎによって吐きすぎた結果で問題ないですって
俺らはほっとした
友人は「お前が死んじゃうんじゃないかってびっくりしたよ。」って
病院をでてぎゅっと抱き締めて友人は言った
その友人は泣いてた
「お前がいなくなったらオレは生きていけない。」
そう言って
あぁ、俺の心を埋めてくれるのはこいつなんだろうなってその時気付いた
近くにいすぎて当たり前になってた存在だったからこそ
気付かなかった存在
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