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珍しいほどに素直な君
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大学生×大学生
(発熱、眩暈、嘔吐)
「ごめーん。そこの食器とってきて。」
台所で料理をしながら
ソファーで眠る君に声をかける
君はその声に目を開くと
のろのろと歩いて台所へとくる
「この皿でいいの⁇」
食器棚を開いて
オレが望む皿を指差す
「ん。それ。」
「了解。」
そう言って君は食器を持つ
味付けはどうだろう
そう思いながら君から目を離したその一瞬
がしゃんという音が響く
皿が割れる音
はっとして振り向くと
床に皿が叩きつけられ割れていた
君は食器棚に手をつき呆然とそれを眺めている
「ちょっ、大丈夫か⁇」
その声にはっと気づく君
「あっ、ごめん。うっかりしてた……ごめん……ちゃんと片付け、る、から………」
目の前に広がる皿の破片を掻き集めようとする君
いやいや危ないって
「箒持ってくるからちょっと待っとけって。素手でさわ………ほら…言わんこっちゃない………」
触らないように言う前に
君は破片に触れて「いたっ」と手を切った
じわりと右の人差し指から血が溢れてる
「もう、何やってるのさ。そそっかしいの珍しいね。」
箒を取りに行くよりも先に君による
君の指先を手に取り滲み出る血を舐めた
「………っ…ごめん……」
「なんで謝るのさ、別に皿はいいよ。それなんかより君のが大事。」
指を舐められ真っ赤になる君
とてもかわいくて愛らしい
「なんか、今日、君は危険だからちょっと待ってて。皿に触れちゃダメだよ。」
「ん。」
妙に聞き分けのいい君
珍しくて何かおかしい
箒を取りに行き戻ってくると
つんとした臭いがした
皿の前に蹲った君は
手で口元を覆って
はぁはぁと荒い息を零し
目は丸く真開かれている
そして
手はぐっちょりと濡れ
指の隙間からはぼたぼたと床に半固形状の物が溢れ、床へと滴り落ちていた
「えっ、ちょっ、大丈夫、か⁇」
箒を投げ捨て君に寄る
君の肩を抱くと君は弱々しい声で
「大丈夫じゃ、ない…気持ち、わるっ…………」
そう言って手を床に着くとぴくりと跳ねた
「うっ………うえっ…うえええええええっ………ごほっ………えっ………」
君の桃色の形の良い口から
ぐちゃぐちゃなものが吐き出され
床にびちゃびちゃとそれが落ちる
床が様々な色で染まる
綺麗とは言えない光景
でも、綺麗な君からそれが吐き出されているかと思うとぞくりとした
吐き出し終えてもまだえづく君の背を摩る
君はそれに応えるようにまた吐いた
そして落ち着くと
息を整えながら
手の甲で口元を拭った
「……はぁ、はぁ……ごめ………」
目に生理的な涙を溜めて謝る君
何を謝ることがあるのだろう
「いや、大丈夫。まだ、気持ち悪い⁇」
ふるふると首を横に振る君
それなら、良かった
「皿も割って、吐いて床を汚して、ごめん。」
「気にするな。皿割ったのも調子悪かったからだろ⁇」
「ん…なんか、くらってして…気がついたら…割れてた……」
「そっか…気持ち悪かったのに、起こしてごめんな⁇」
「ううん。あの時は大丈夫だった…立ったらなんか、ふらっとして……」
「そっか……」
俺はそう言うと君の頭を撫でた
そして、抱きかかえリビングに向かう
ぽふりとソファーに降ろし
君の額に触れる
とても熱かった
「お前、熱、ある。」
「嘘っ。」
「本当、今日はもう寝とけ。ご飯もお粥にしてやるから……」
「ん。」
またも聞き分けのいい君
怖いけどこんな日くらいは素直でいいと思う
割れた皿を片付け
吐物を片付け
作りかけの料理を作り終え
お粥を作ると
君に差し出す
「食べさせて。」
そんなことを平気で言っちゃう君
かわいくてしょうがない
本当はよくないんだけど
このままでいてくれないかななんて思った今日
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