アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ぼやける世界
-
高校生×高校生
(貧血)
チャイムが鳴り
キミが僕を迎えに来てくれたことを告げる
「はい。」
と答えれば、慌てて荷物を鞄にまとめて外に出る
「おはよう。」
「おはよう。」
挨拶を交わして始まるいつもと変わらない朝
他愛もない話をしていつもの道を歩いて
いつものように駅に着いて
階段を登って…登りきったところで
いつもと違う感じ、少し息が切れたしさぁっと血液が下がった気がした
ぷるぷると頭を振ると何事もなかったようにいつもの調子に戻る
突然、頭を振ったもんだから
キミは「どうしたの⁇」なんて聞いて
「いや、ちょっと…」としか答えようがない
改札を通り、階段をくだる
いつもと、いつも、と変わら、な、い…
視界に靄がかかる
フィルターをかけられたように
周りがボヤけて……
「あぶなっ…」
そんな声が聞こえた気がした
はっとすると
何故か駅の待合室の椅子に寝かせられていた
「え⁇」
「お前、倒れたんだよ…だいじょ…ほら、急に頭上げない。」
がばりと上体を起こすとふらふらした
椅子の背もたれに手をかけて頭を抱える
「お前さ、朝ご飯食べた⁇」
呆れたようにいうキミ
朝ご飯とか、いつも抜いてるし
そんなこと別に…
ふると頭を横に振れば唇に何かを入れられる
口の中に甘い味が広がる
からんと口の中で転がされるそれは飴に間違いない
「少しはマシになると思うから…」
そう言ってキミは僕の頭を撫でる
そして、飴を舐めきると変な感覚は消えた
電車に乗って学校に向かう
確実に遅刻
「抱いた時、お前、軽すぎ。」
キミがそう言った
あぁ、そうか倒れたということは
場所が違うということは
キミが抱いてくれたのか
キミに抱かれるのを想像して少し嬉しくなった
今度は意識がある状態で抱かれたいな、なんて
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
86 / 143