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4月28日『ヨツバの日』(出会い編)②
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ガラスケースの中で、主候補にアピールを繰り返す彼らに、冷ややかな瞳を向けた。
たぶん、また。
きっと、僕は、壊してしまう。
一度、奴隷の良さを知ってしまったら、傍に置かずにはいられなくなるだろう。
ふと思う。
何人、抱き潰すことになるのだろう……。
仕事を無くした僕に、何人もの奴隷を買うほどの金が、あるはずもない…。
露亜からの誘いを受け、彼の会社で働いたとしても、何人もの奴隷を買えるほどの金は、得られない。
はあっと大きく息を吐き出し、ガラスケースの中でショーを繰り広げる彼らに、ちらりと視線を向け、頭を振るった。
ダメだ。止めよう。
自分も辛いし、なにより、彼らに…僕の目に留まってしまった者に、申し訳ない。
奴隷の【購入】を諦め、タッチパネルの前を離れようとした。
ドンドンドンッ――。
激しく叩かれるガラスに瞳を向けた。
側に立つ、黒マスクの雰囲気が、瞬間的に緊張を纏った。
「買って!」
籠った声を発した奴隷は、べたりとガラスに貼りつき、僕を見ていた。
その姿を確認した黒マスクは、くっと小さく笑い声を漏らした。
視線を合せたガラスの中の彼は、右の膝を外へと開き、僕にNo.を見せつける。
「ヨツバ。幸福のヨツバだよ?」
訝しげな瞳を向ける僕に、ヨツバという彼は、にかっと笑みを浮かべた。
「俺、ヨツバだから、幸福運んでくるよっ」
自分の太腿を指で差し、4(ヨ)2(ツ)8(バ)…ね? と、笑った。
あからさまの売り込み。
誰にでも、そうやって自分をアピールするヤツなんだと思った。
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