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9月9日『ポップコーンの日』②【 END 】
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「こらっ。邪魔しないでください。焦げるでしょっ」
脇から顔を覗かせるヨツバの頭を押しやり、僕はフライパンを揺すり続けた。
音が落ち着いた段階で、コンロから下ろす。
「開けますよ」
フライパンの蓋に手をかける僕に、ヨツバは、覗き込むように顔を近づけた。
パンッ――。
ぱっと開いた蓋に、残っていた1粒が、弾け飛んだ。
「あっづっ!」
弾けた1粒は、ヨツバの額に、ヒットした。
額を押え、ううっと、ポップコーンに威嚇するヨツバ。
でも、フライパン一杯の弾けたコーンに、目を真ん丸に見開いた。
「凄いねっ!」
僕は、くすくすと笑いながら、そのまま軽く塩を振る。
振った塩を馴染ませるように、フライパンを揺すり、ひとつを摘まむ。
ふわりとした歯応えと、広がるコーンの甘味にアクセントのような塩気。
くっと上がる僕の口角に、ヨツバは、少しだけ身体を反らせ、口を開けた。
「もう、飛びませんよ」
くすくすと笑いながら、ひとつを摘み、ヨツバの口の中へと放った。
「美味しいッ! これ、美味しいッ」
はしゃぎ、手を伸ばすヨツバ。
パンッ――。
再び弾けたコーンが、ヨツバの手を直撃した。
「あっつ! いったっ! もぉっ!」
叫ぶヨツバに、僕は声を立てて笑う。
コーンにすら苛められるヨツバ。
期待を裏切らない…、君は本当に可愛いよ。
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