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3 (R18)
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朔也との神事において、幸いにも末理が痛みを感じたことはない。あるのは被征服感と羞恥心、そして意識が朦朧とする程の快感だ。
貫かれた直後は、声を漏らすのさえ恥ずかしく感じるが、温度のない肉根に抜き差しを早くされる内、喘ぎを抑える余裕がなくなる。刻み込まれる快感に、理性がどんどん溶かされる。
朔也はよく『素直になれ』と嗤うが、どうすれば『素直』になれるのか、末理にはよく分からない。快感に抵抗せずに浸るのを望まれているのだろうか。
「あ、う……、ふあ、あ……」
日暮れを迎えた部屋の中、途切れ途切れの喘ぎ声が響く。
末理の白い裸体は仰向けにひっくり返されて、絶え間ない突き上げに揺すられ続けていた。すんなりとした脚は見えざる手に大きく押し開かれていて、はしたなく秘所を晒している。
ぐちゅぐちゅと響く水音。
朔也に揺すられる度、白い脚もゆらゆら揺れる。
陰茎はピンク色に勃起させられて、先端から透明なしずくをこぼし、まだ薄い下生えを濡らした。
「ああ、あ、ああ……」
快感に熟しきった声。
その末理の嬌声を聞き、朔也が満足げにくくっと笑う。
『気持ちいーか?』
快感への耽溺を疑ってもいない問いだ。
潤んだ目を開けて相手を見ると、神は黒髪の少年の姿のまま、整った顔に笑みを浮かべた。
その顔がゆっくりと寄せられて、唇を与えられる。
はらりと落ちる長い髪。温度のない唇が末理のぽっかり開いた唇を塞ぎ、温度のない舌がぬるりと口中に入り込む。
神の唾液は甘露だ。
末理の舌にじわじわと熱く染み込んで、舌の根までも痺れさす。
後腔を穿つ肉の杭が、ぐっと体の奥を突いた。
「んう、う……っ!」
舌を絡め捕られたまま、耐え切れずに漏れる声。
温度のない不可視の腕が、末理の細身を抱き締める。そのままがつがつと強く突かれ、押し開かれた脚が跳ねる。
「は、ああ……っ、もうっ」
上擦った声を上げ、末理がいやいやと首を振った。
『もう、何?』
「もう……っ!」
言葉にできない快感、細い背中がぐっと逸らされ、朔也を受け入れた体腔の内部が、きゅうきゅうと神の肉を締め付ける。
「ああっ」
悲鳴と共に、生身の精子が吐き出された。がくんと堕ちる意識に抗わず、末理が手足の力を抜く。
一方の、黒髪の少年神の方はまだまだ余裕の表情だ。
達してびくびくと痙攣する体を、更に容赦なく揺すり上げ、休む暇を与えない。
『寝てんじゃねーぞ』
愉悦を含んだ叱咤の声。朦朧とする意識を激しい攻めに揺り起こされて、末理が弱々しくすすり泣く。
痛みなど感じたことは一度もない。与えられるのは快感だけで、けれど、それも過ぎれば毒になる。神の虜になる毒だ。
「や、やあ……」
『まだまだ!』
力のない抗議など、神への牽制にはなり得ない。「赦して」と泣いたところで、赦された試しはない。
あ、ああ、と掠れた啼き声を堪能しながら、少年の姿の神は、自らの供物に覆い被さった。
温度の無い巨根が抜き差しされて、絡みつく粘膜を擦り上げる。動きが速く激しくなり、末理のむせび泣きが高くなる。
たったひとりの部屋の中、不可視の少年にむさぼられ、末理の白い裸体が跳ねた。
「あ、ああーっ!」
何度目かの絶頂。
それに重なるように、もう1人のうめき声が低く重なる。
最奥に注がれた熱いしぶきに、末理が悲鳴を上げるのも同時。この時ばかりは神の背中にしがみつき、爪を立てるのも許される。
温度の無い肉根から放たれた精は、力と光を含んで末理の体に熱く浸みる。神の恩寵を受け取って、細い体が震える。
ぎゅっと閉じられた目から、ぽろりとこぼれる透明なしずく。熱くて気持ちよくて、力と光に満たされて、涙をこぼさずにはいられない。
それを朔也は体温の無い舌でべろりと舐め取り、目尻に軽いキスを落とした。
『お前は何もかも甘ぇ』
神事の痕跡を漂わせ、黒髪の少年が優しく囁く。
その彼から貰った力のしぶきが、指の先までしみわたって行くのを感じながら、末理はゆっくりと目を開けた。
涙に濡れた大きな瞳が、琥珀色の光を帯びている。
「さ、くや……」
少年神の真名を呼び、末理は小さく腕を引いた。守護する少年にねだられて、体温のない腕が末理を優しく抱き締める。
そっと交わされる口接けに、どんな意味があるのかは本人たち以外には分からない。契約か、供物か、それとももっと大きな何かだろうか。
窓の外はもう真っ暗で、部屋の中もしんと闇に包まれたまま、今は静寂に満ちている。
また近日中に悪霊と戦うことになるだろう末理も、今は生まれたままの体で、無防備に眠るだけだった。
「琥珀鬼」と呼ばれ、悪霊払いとして独り立ちしている末理だが、普段はごく普通の気の弱い高校生として暮らしている。
祖父の元での修行も終わり、今は再び共働きの両親の元で公立高校に通う毎日だ。
一族の拠点に暮らし、一族の経営する学園に所属していれば、それなりの仲間に囲まれたのだろうけれど、ずっと「一族の末席」として蔑まれていた末理は、それ以上の関わりを望まなかった。
また、今まで末理を「末席」と呼んでいた側の者も、いきなりの彼の覚醒に戸惑うばかりで、どう扱うべきか決めかねていたため、特に不満の声は出なかったらしい。
一族の影響の及ばない公立高で、一般の生徒に囲まれる暮らしは、家業を続ける以上、それなりに気を遣うこともある。
けれど、それでも末理は、今の毎日に満足していた。
「よお一ツ橋」
「おはよう、一ツ橋」
自転車置き場で会ったクラスメイトが、末理に気さくに声を掛ける。
「あ……おはよう」
気弱げに返事して、自転車をガションと立てる末理。その隣に寄り添うよう、黒く長い髪の少年が立っていることに、気付く生徒は誰もいない。
『あいつら、毎朝毎朝、バカみてーに元気だな』
耳元に囁かれる皮肉な声。
「うん……元気だ」
こそりと小声で応えると、耳たぶが温度のない唇にぱくりと食まれる。それにびくりと肩を揺らして、末理が小声で「もう……」と言った。
「け、契約……」
契約違反だ、と抗議しながら赤面する末理に、朔也がくくっと小さく笑った。
『分かってるっつの』
その声は、ちっとも分かってるようには聞こえなかったけれど、それもまた末理にとってお馴染みのやり取りの1つだった。
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