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全ての始まりはここから
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「7……8」
「9!次だぜ、次!」
「10!……え?」
「…………ええっっ!?」
「で、何でここにいんの?」
「いやぁ、ちょっと通りがかって」
「へー塀を乗り越えてか?
どうやったら通りがかんだよ。
大体アンタ家逆だろう?」
相手の冷たい言葉には理由がある。
それもこれも僕の言動が常識を
逸脱しているからだ。
分かってる、それくらい。
怪しさ満点なのは誰に言われなくっても
ちゃんと自覚はあるよ。
「なぁ、アンタ。大丈夫?」
「ははは……」
掻い摘んでいうと、今の状況はこうだ。
とある住宅の敷地内に無断で入り込み、
窓越しで目の前の人物を口説いているんだ。
「知ってる?
ストーカーって言葉とその意味」
冷ややかなというかそれ以上の
蔑むような目付きで、窓枠に
肩肘をついた人物は、その視線と
相応しい口調で俺に言葉を発している。
「だから違うって、何度も言ってるように
君に一目惚れしたからもっと
話がしたくってさ……学生証見せたろ?」
とか、汗をかきつつ必死に言い募るが
この場合相手の言い分がもっともなので
もう自分で何を言ってるのかしどろもどろ。
「質問、聞いてた?
自分でさぁ、何言ってんのか分かってんの?
高校じゃそういう事、教えてくれないかな?」
「えと、そういう……授業はないかなぁ」
「だろうね。常識だから」
「……あははは」
(ですよねー!)
もうこれだけでも充分おかしいのだが
更に問題はこの先で……
その口説いてる相手というのが、
――――小学生の男だったからだ。
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