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転入生
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「四堂君だっけ?イジメられてるとか
そういうのじゃなくて、
弟曰く、浮いてるんだと」
「浮いてる?なんで?」
「ホラ、子供心にあるじゃん。
コイツ何か自分らと違うって。
ただでさえ、六年の二学期からいきなり
転入してきてるんだぜ?
もう周りは固まってるってるから
そら、浮くわな」
「へぇ?」
見た目凄いキレイな子だから
女子とかに人気だろうって
思っていただけに意外だった。
「しかもな、
家から一応学校側には留学の事とか
箝口令をお願いしてたみたいだったけど、
担任がたまたま休みだった時に
副担が英語の授業中、
『四堂くんはアメリカ帰りで英語
ペラペラだから発音してもらいましょう』
とか、うっかり言ったみたいで
教室中がザワザワってなって」
その光景が頭に浮かぶ。
うーん、隠していた事をいきなり
皆の前で言われた時の心情って……。
「英語喋れるとかさ、
俺達みたいに中・高とかになれば
必須だし、教えて貰えればラッキーとか
お近づきになりたいとか思えるかもだけど」
「…………うん」
「小学生って妙な仲間意識が強すぎて、
突如現れた余所者って意識しないフリしつつ
凄い観察するじゃん遠巻きにさ。
それでいて仲間にも入れ難い、まぁ
子供なりに色々あるわけよ」
なんとなく分かる。
「英語の授業、それから一言も
喋らないそうだぜ」
「…………」
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