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痕跡
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雷「では、そこからの記憶が無いと…」
綾「そう。で、今に至る」
蒼「怪我とかはしてないのー?」
綾「大丈夫。見ての通り無傷だよ」
蒼「そっか…それを聞いて安心したよー」
成「いや、まだ油断は出来へんぞ。これから何か
体に異常が出るかもしれんからな」
風「助けに来れなくてごめんな、綾瑠」
綾「大丈夫だからそんな顔すんなよ」
綾瑠はそう言って両手で風翔の頬を包んだ。風翔はその手に頬ずりをした
綾「風にぃ猫みたい…」
風「俺は豹だ」
綾「はいはいw」
雷「綾瑠、体が大丈夫なようでしたら
水怜の所に行ってくれませんか?」
綾「そういやあいつ何処にいるんだ?」
綾瑠は風翔に支えられながら立ち上がった
雷「向こうの部屋に魁虎と一緒に居ます
貴方の倒れた姿を見て泣き出してしまって…」
綾「そっか、分かった」
1人にじゃないって、しないって言ったそばから倒れられたらそりゃ泣くよな……水怜に謝らないとな…
…ガチャ……
魁「綾瑠さん!目が覚めたんだね、よかった!」
水「っ!兄様っ!」
水怜は椅子をガタッと音を立てて立ち上がり、綾瑠の所まで走ると勢いよく抱きついた
綾「おっと…ありがとう、心配かけた
水怜もごめんな。心配かけたね
もう大丈夫だから泣くなよ」
綾瑠は水怜の頭を撫でた
水「あの時僕が一緒に居ればこんなことには
ならなかったかもしれないのに……
ごめんなさい、兄様…お守りできなくてごめんなさい」
水怜はギュッと抱きつきながらそう言った
綾「謝るなって。お前は悪くないんだからさ」
水「でも、約束したのに…お守りするって
約束したのに…出来なかった……」
そう言って綾瑠の服をキュッと握った
綾「水怜は十分俺を守ってくれてるよ」
水「…?」
綾「お前は知らないだろうけど、
血切りをした時から俺の心を守ってくれてるんだよ」
水「兄様の…心?」
綾「そう。俺は年内に殺されるって言われてる
それでも俺が、気持ちを強く持てる理由を知ってる?」
水怜はフルフルと首を横に振った
綾「理由はな、大切な人を悲しませたくないって
気持ちがあるからだよ」
綾瑠は膝立ちになり水怜と目線の高さを合わせた
綾「お前を1人にしない。寂しい思いをさせない
そう決めてるから、俺は強くいれるんだ」
水「兄様…」
綾「だから今回も強くいれたから何も無かったんだ
って俺は思う。お前は何も悪くない。
気に病むこともない…分かった?」
そう言って水怜を抱きしめる
水「……分かった…。でも、次は必ず兄様を
敵から守ってみせる!慰めてもらうのは今で最後
僕はもう泣いたりしない!」
綾「えー。せっかく弟ができたのに、
甘えてもらえないなんて寂しいなぁ」
水「えっ…そ、それは…」
綾「頼りないかもしれないけど、少しずつでいいから
甘えて欲しいな」
水「……えっと……」
水怜を目をキョロキョロとさせて戸惑った
さすがに、まだ無理だったか…?
風「……。決めた。水怜が甘えねぇなら、俺が綾瑠に
甘やかしてもーらおっと」
ガバッ
綾「うわっ!」
風翔は綾瑠の背中に抱きついて水怜から引き離した
風「水怜。こいつは俺らの嫁でもあるから、
甘えねぇなら俺と雷翔で独占するけどいいか?」
風翔はニヤリと笑いながらそう言った
水「そ、それは駄目です!」
風翔の言葉を聞いた水怜は焦った顔をして綾瑠にしがみつく
風「ならちゃんと甘えな
血の繋がったたった1人の肉親だろ?
まぁ、俺らももうすぐお前と家族になるんだけどな」
おいおい、結構淡々と言うんだな
綾「風にぃ…」
風「ほんとの事だろ?」
とは言ってもな…
水「風翔さん……はい、ありがとうございます!」
…まぁ、水怜が笑ってるからいいか
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