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成希の正体 2
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………コツコツコツコツ……
廃工場の中はやはりしんとしており、3人の足音がやけに大きく感じられた
雷「魁虎は2階の奥にいると言っていましたよね?」
風「ああ、そう言ってたぜ……なぁ蒼、何か見えるか?」
蒼「今のところは、息をしている人間が
ここを通った形跡しか見えないよ
でも、ただの人間じゃない」
風「そうか」
3人は1つしかない階段を上った
風「おいおい、分かれ道っぽいのがあるぞ
迷路じゃねぇんだから一本道にしてくれよ」
蒼「僕がいるんだから心配いらないでしょ?」
蒼はそう言って迷わず右に曲がった
風「まぁ…そうだな、悪い」
2人もその後に続く
蒼「別に、2人と魁虎だったら許すよ
勿論、綾瑠もね」
蒼は前を向いたまま言った
ピクッ、と雷翔の眉が動く
雷「何かが動く気配がありますね…近いのでしょうか?」
風「確かにいるな、若宮成希か?」
蒼「そうだね、そこの左奥の部屋にいるよ」
蒼が示す部屋のドアを見ると微かに光が漏れていた
……コンコンコン…
雷翔がドアをノックすると…
「入ってええよー」
気の抜けた声がした
雷翔がドアを開けるとそこには山積みになった木箱の上に胡座をかく成希がいた
成「ちょーどぴったしやな」
成希はTシャツとハーフパンツにパーカーを羽織り、スニーカーとラフな服装だった
雷「話をしに来ました」
成「そーピリピリせんと、もっと気ぃ抜いてぇな
そんなんやとこっちまで疲れてしまうわ」
だが、3人は警戒心を解かなかった
成希は少し苦笑し言った
成「まぁ、ええわ…そこに座り」
成希の示す所には椅子が3つ置いてあった
風「何で来る人数が分かってたんだ?」
成「話は座ってからや。せやから、まずは座り」
雷翔は蒼の顔を見た、蒼は首を横にふる
これは相手が怨念または悪意を持っていないことを意味する。ちなみに、持っていれば頷き、分からない場合はただ見つめ返すだけだ
雷翔と風翔はこれを見て少し警戒心を緩め、言われた通りに椅子に座った
風「それで?何から話してくれるんだ?」
成「そー、急かさんともちゃんと話するから安心しぃや
電話でも言ったやろ?」
成希は木箱の上から飛び降りた
成「よっと!………さてと…話す前に、挨拶やな
もう知っとると思うげど若宮成希や、よろしゅうな」
雷「豹月雷翔です」
蒼「鮫島蒼だよ」
風「俺は知ってるだろ」
成「うんうん、言わんでも皆知っとるよ」
雷翔と風翔は顔を顰めた
成「雷神さんに風神さんやろ?あと豹の御霊もな」
あと…と言って蒼の顔を見る
成「神の目もな…いや、ゴットアイって言った方が
かっこええか?」
3人は目を見張った、雷翔達の事だけでなく蒼の事も知っていたのだ
風「おまえ、どうやって知ったんだ?」
成「知ったも何も、元々知っとったんよ」
風「なんだと?」
成「だって俺、蛇神(じゃしん)の生まれ変わりやもん」
3人はまたも目を見張った
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