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成希の正体 5
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次の瞬間ドアを突き破る音がした
4人は息を潜め下を見た、するとそこには真っ黒な何かに囲まれる成希の姿があった
成「おーおー、これはまた盛大なお迎えやな」
成希を囲んでいる得体の知れないモノはじりじりと成希に迫って行った
魁「雷翔様、風翔様、蒼、
助けに行かなくていいのかな?」
風 [息を潜めてろって言われたんだ、
此処は言う通りにしよう……何も分からない俺達が
動いて迷惑をかけるのは奴を不利にするだけだ]
魁「そう…だね……でもさ、何で力を
使い続けろって言ったのかな?」
雷 [何か意図があってのことでしょう]
そんなことを話していると、腰に手を当て気怠げに立っていた成希が得体の知れない真っ黒な物体に話しかけた
成「誰の差金かは知らんけどな、
いきなり来といて殺気剥き出しとはなー」
成希は先程までの焦った様子はなく、いつも通りの態度だった
その時、成希に向かって触手のようなものが伸びた
それは成希の両手首を拘束した
<…………ミズガミハドコダ?>
聴き取りにくかったが黒い物体は確かにそう言った
成「………俺がそんなん知っとると思うんか?
自分の記憶すら取り戻すのに時間かかっとったんやで?」
<……ミズガミハドコダ…>
成「はぁ…頭悪いのう、水神の事は知らんと
言っとるやんか、全く…しつこい奴らやのう……」
<ミズガミハドコダ…イエ……コロスキョカモエテル>
黒い物体は更に5、6本触手のようなものを出した
成「……はぁ……あんまり見せたくなかったんやけど……
仕方あらへんな…ちっとばかし痛い目見てもらおか」
成希の目からは気怠さが消え、獲物を狩る捕食者の目に変わっていた
次の瞬間、触手のようなものと黒い物体そのものが同時に飛びかかった
風 [成希!]
風翔は思わず叫んでしまった、成希は一瞬4人の方を見てニヤッと笑った
成「ショータイムや!」
成希はそう言った後、両手首の拘束をいとも簡単に解き、自ら黒い物体飛び込んで行った
魁「なっ!?いやいやショータイムって!
風翔様、これって援護した方が!」
風 […ああ、そうだな!兄貴、行くぞ!]
雷翔は動かなかった
風 [兄貴!何で助けに行かねぇんだよ!]
雷 [此処にいなさいと言われたからです]
風 [だけどよ!]
雷 [黙りなさい]
風 […っ!]
雷 [成希は私達が生まれるずっと前から生きている
のですから知識や戦い方は成希の方が上……それに、
風翔、さっき貴方は言いましたよね?
何も知らない私達が下手に動けば迷惑をかけると]
風 [っ……だけどよ………]
雷 [ここは大人しくしていましょう、相手の事が
分からないんですから、まずは自分の身を守ることを
考えてください]
確かに雷翔の言う通りだった、このまま成希の所に行ったとしても何が出来るか誰にも分からないのだから
蒼「………あ……雷、翔…」
雷 [蒼?]
3人は蒼が震えていることに気がついた
風 [蒼、どうした?]
蒼「成希のオーラが…」
蒼が言いかけた時だった……空気が震え建物が軋んだ
魁「な、何が……ひっ!」
風 [おい!一体どうしたんだよ!]
魁虎は口をぱくぱくとさせながら震えた指先で下を指した
雷翔と風翔はその先を見て目を見張った
4人の視線の先、さっきまで成希がいた場所に1匹の白い大蛇がいたのだ
体長はゆうに8mは超えているだろう、太さもかなりある
大蛇は黒い物体を胴体で締め上げ、更に噛み潰していた
風 [な、なんだよ…あれ……成希、なのか?]
蒼「成希で間違いない、よ…」
魁「……あ、あれが…」
雷 [ええ、成希の…本当の姿でしょうね…]
黒い物体は悲鳴とも言えない奇声の様なものをあげていた
成 [おいおい、さっきまでの威勢の良さは
何処に行ったん?全ッ然手応えあらへんなぁ]
成希の声はその言葉通り余裕があった、この黒い物体が部屋に入ってくるまでの切羽詰った様子は雷翔達を上に避難させるための演技だったのだと全員気づく
成 [ほな、そろそろ仕上げにしようかの]
急に大蛇の大きな目がグルンっとこっちを見た
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