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昔の蒼 2
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バシッ
魁虎が蒼の顔を自分の方に向かせその頬叩いた
魁「お兄ちゃん!」
蒼「っ!」
その反動で蒼の右手が緩み成希がドサッと音を立てて床に崩れ落ちた
成「ゲホゲホゲホッ、ゲホッ…はーはー……ゲホッ…」
魁「何してるの蒼!」
蒼「………あ………かい、と……俺…は……」
先程とは打って変わって蒼は、今まで成希の首を掴んでいた右手を握りしめガタガタと震えていた
魁「落ち着いて蒼、大丈夫だから…ね?」
蒼「………俺、は…何を……」
雷翔と風翔は成希に駆け寄った
風「大丈夫か?」
成「ゲホッ……っ、………あー……なんとかな」
雷「それにしても魁虎、これは一体…」
魁「ごめんなさい。成希は大丈夫?」
成「酸欠で少しクラクラするだけで平気や。心配いらん」
魁「そっか…よかった……」
成「にしても…さっきの蒼は何や?
まるで別人やったぞ?」
魁「それは、」
蒼「魁虎…」
蒼はガタガタと震えながら魁虎の胸に縋りついた
魁「ごめんなさい、蒼を落ち着かせてから
でもいいかな?何処か別室はあったりする?」
雷「部屋ならあのドアを開けると階段がありますから
2階にある、右奥の部屋を使ってください」
魁「ありがとう。ほら、蒼掴まって?」
魁虎の言葉に蒼はコクリと頷いた
それを合図に魁虎は蒼を抱き上げ雷翔達に向かって一礼をし、ドアの向こうに消えて行った
成「蒼って元はあんな奴だったんか?」
雷「いえ、私達もあんな蒼を見るのは初めてです」
風「…何が引き金だったんだ?……見殺し、か?」
雷「ええ、蒼が成希の言葉に対して言っていたのが
そこの部分だったので…おそらくそうでしょうね……」
成「まだあんたらと会う前に何かあったんやろな…
アレはなんかのトラウマ抱えとる証拠やで」
魁虎は何か知っとるんやろか?と成希は考え込んだ
風「お前…意外と冷静なんだな。
一応絞め殺されかけたんだぞ?」
成希は、ん?と顔を向けヘラっと笑う
成「あれぐらいどうってことないわ。考えてみい、
800年の間に戦争がいくつあったと思う?」
風「少なくても3つくらいか………?」
成「まぁ、そんなもんやったかな?忘れたけど…。
それで、戦争には銃やら大砲やらがあるんやで?
そっちと比べたら首を掴まれる方が全然ましや」
雷「ですが、成希でしたら結界等が出来たのでは?」
成「まだ不安定やったんよ。てか、出来んかった」
雷「今の私達みたいに?」
成「せやな。800年生きとるって大口叩いとるけど
実際まだ若造の部類やからな。昔の記憶を掻き集めて
なめられないように必死なんよ」
これでもな、と自分を指さして笑った
雷「そうなんですか…」
成「やからあんたらも頑張りよ。俺も協力するから」
そう言って成希は2人の頭に手を置いた
風「…すまない」
成「そこはありがとう、やろ?」
雷「……ですね、ありがとうございます。それと
ご指導よろしくお願いします」
風「よろしく頼むな。成希」
成「おう、任せとき。俺は厳しいでー」
雷「お手柔らかに」
3人がそんな話をしていると魁虎が戻って来た
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