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無口な理由 2
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3人はエレベーターに乗り、2人の書斎(仕事部屋)がある最上階に向かった
蒼「先に雷翔と風翔に言っとくねー」
風「なんだ?」
蒼「水怜は基本無口な子みたいなんだー
俺に話したのもー、自分の名前とー、次期トップ
になることー。慶の孫ってことぐらいだけでー、
他のことは全然話してくれないんだー」
雷「そうなんですか……」
雷翔と風翔は目を合わせた
2人は水怜が質問に答える前に口を聞いてくれるか不安になったのだ
そうこうしている内に書斎に到着した
蒼は部屋の暗証番号を入力し、赤外線画面に右目を翳した
ピー、と機械音がした後ロックが外れる音がした
蒼はドアを開け雷翔達にどーぞ、と言った
雷翔と風翔は部屋に入る
すると客人用のソファに小さな塊がちょこんと座っていた
蒼の言う通り目を合わせても無表情のままで無言でこちらを見つめ返していた
雷「貴方が咲野水怜さんですか?」
水「……はい」
雷&風「…………」
水「…………」
雷「…貴方は前世の記憶などはありますか?」
水「……いいえ」
風「……………あー!これだと話が全然進まねぇ!
おい、水怜。お前は能力は何が使える?
それから蛇神のことは知っているか?
あと、今の水神の居場所も分かっていたら教えろ」
雷「そんなにたくさん質問しては幾ら何でも、」
水「読心術…できる。水も自在に、できる
蛇神…1回会ったこと、ある
水神様の居場所は知らない……けど、転生している」
雷翔達3人は驚いていた
風翔がほぼ勢い任せに言ったことに対してぽつりぽつりだが答えた。しかも先程まで、はいといいえしか発していなかった水怜が、普通に言葉を発したのだ
そして、水神が既に転生していることを明らかにした
雷「蛇神の名前と顔は覚えていますか?」
水「…顔は…曖昧……名は覚えている
名は、若宮成希様」
風「水神が転生してしているのか?」
水「…慶が言ってた………20年くらい前に転生している」
雷「何処にいるか分かりますか?」
水怜はフルフルと首を横に振る
水「慶も……見つけられなかった…」
風「見つける方法あるのか?」
水「……………」
雷翔は俯き黙ってしまった水怜の前にしゃがみこんだ
雷「身内以外に漏らしてはいけないのですね?」
水怜はチラッと雷翔を見てコクリと頷いた
風「話が変わるんだけどよ
お前もロストは知ってるな?」
水怜は顔を少し上げ頷いた
風「どうやって2人は消えた?」
水「……うまく言えない。けど…黒いもやに包まれた
一瞬だった……」
雷「もや、ですか……成希に報告することができましたね
貴方のことも話しますがいいですか?」
水怜は無言で頷いた
風「……なぁ、雷翔。この後こいつは
家に返すんだよな?」
雷「そのつもりですが?何か?」
風「いや、ちゃんと身内に迎えに来させようと思ってな
さすがにこいつを1人で帰すわけにもいけねぇしよ」
雷「ああ、そういうことですね。それなら」
水「いらない………」
水怜は雷翔の言葉に被せて話してきた
雷「何故です?今度は貴方が狙われるかも
しれないのですよ?」
水「……………ない……」
水怜はまた俯いて唇を噛んだ
風「?…何がないんだ?」
水「………咲野、僕だけ…だから………いらない」
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