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声の主
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えっ!?嘘だろ!?収めろ、ってどうやるんだよ!
風「それを声帯の所に収めて俺らに蛇神の所に行け、
と命令しろ。それで、俺らが蛇神の所に行けたら成功だ
そしたら本格的に蛇神に能力を与えてもらう」
風翔は合ってるよな?と確認し、雷翔はそれに頷いた
雷「人間の喉には仮声帯(室ヒダ)と真声帯(声帯ヒダ)
が喉仏の奥にあります。そのヒダの間に喉頭室
という空間が2つあります。そこに私達の力を
溜めて欲しいのですよ」
綾「え、ちょっと待てよ!どうやるんだよ!」
風「だから、飲み込んだら食道の方じゃなくて
気管の方に持っていくんだよ」
風翔はむせる時みたいにさ、と言いながら掌の上に親指の第一関節程の大きさの旋風を出した
風「時間も勿体ねぇし、やるならとっとと始めるぞ」
雷翔は風翔の言葉に頷き同じように掌に小さな稲妻を出した
綾「雷にぃ、俺がそれ飲んで感電しないか?」
雷翔は綾瑠の質問に対し稲妻と雷の違いを説明した
内容は、雷は雲と地面の間で起こる放電現象の全てを示すこと、稲妻はその放電によって起こる光のみを示すことだった
雷「光を飲み込んでいるようなものですから、感電する
心配はありません。安心して飲み込んでください」
本当に大丈夫なのか?
雷「不安でしたらクークルで検索してみては?
同じことが掲載されていますよ」
綾「いや、いい。雷にぃがこんなことで嘘をつくとは
思えない。ただ、少しだけ不安になっただけだ」
それにしても…、と綾瑠は顎に手を当てうーん、と唸った
気管の方に持っていくなんてどうやるんだ?ただ飲み込むだけだと食道の方に行くしな……どうしたらいいんだ…?
『喉を鳴らし腹に力を入れるのじゃ』
え?……また、声が…
『後は旋風と稲妻が自ら動き、
其方の喉頭室に収まるだろうよ』
綾瑠は辺りを見回すが自分を含めて3人以外誰もいなかった。
気のせいなのか?……いや、あんなにはっきり聞こえたのに聞き間違いなんてあるはずない。だったらアレは……
風「どうかしたか?」
綾「あ…いや、なんでもない」
取り敢えず、今は集中しないと。あの声のことは後でゆっくり考えよう
雷「綾瑠。最後にもう1度確認させて頂きます。声を
永遠に失う可能性があります。それでもやりますか?」
迷う理由なんかない
綾「ああ、やる!」
雷「分かりました。チャンスは1回限りです」
綾瑠は2人の掌からそれぞれ受け取り、じっと見つめた
チャンスは1回だけ…集中しろ、俺…
……嘘を言っているように思えないし、あの声の言う通りにやってみるか
綾瑠は、目を瞑り深呼吸をして、最後にふぅーと息を吐いて目を開けた。そして、あの声の言う通りにお腹に力を入れ、喉を鳴らして飲んだ。
だが次の瞬間、呼吸ができなくなるに加え強烈な吐き気が綾瑠を襲った。だが綾瑠は、膝から崩れ落ちるも飲み込んだものを吐き出すまいと両手で口を押さえ必死に耐えた
綾「ふぐ…うっ………ぅ、ぐ……」
雷&風「綾瑠!」
双子はすぐに綾瑠の体を支えた。誰よりも可愛く愛しい恋人が目の前で苦しんでいるのを見て平常心でいられる理由(わけ)がなかった
雷「綾瑠、大丈夫ですか!?」
風「吐き出せ、綾瑠!」
綾瑠に2人の声は届いていなかった。目を見開きガクガクと身体を震わせ、ひたすら同じことを頭の中で繰り返していた
兄ちゃん達の為に、兄ちゃん達の為に、兄ちゃん達の為にも我慢するんだ…我慢するんだ、我慢するんだ、我慢するんだ………
だが、呼吸ができない状況が続けば当然意識が朦朧としてくる。綾瑠も吐き気が加わった状態で呼吸も出来ていなかったので意識が朦朧としていた
そのせいで考えることも、めちゃくちゃになっていた
苦しい…息が…気持ち悪い、兄ちゃん……我慢…
その間、2人は綾瑠に何度も呼びかけていた。しかし、それに反応することもなく綾瑠の意識は闇の中に落ちていった
兄ちゃん……
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