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最後の1人……?
成「あぁ…こいつの家族はな、今この世界で
問題になっとる謎の失踪事件のせいで皆消えて
しもうたんよ。実の両親は堕落した妖に殺されとる」
綾「ってことは、家族は…」
雷「この前まで咲野慶と言う方、水怜の祖父が
いました。ですが、慶様も失踪事件のロストによって
消えてしまいました。ですので、使用人はいても
血縁者は誰もいません」
綾「と、友達とかは?」
綾瑠は動揺しながらも水怜に聞いた。すると水怜は悲しそうな笑顔をして言った
水「咲野家の血筋に伝わる力を覚醒させるため
敷地内からは出たことはありませぬ
ただ、慶の仕事の時と此処に来る時のみ
慶のお供として外出を許されておりました。
それ故、そのような者は…おりませぬ」
家族も友達もいない……それってこの子は独りぼっちってこと……?
………独りは嫌いだ。独りはすごく……
雷「綾瑠?どうかしましたか?」
綾瑠は雷翔の声にハッとした
綾「あ、いや、なんでもない……」
とにかく、中学生ぐらいの子が1人で…使用人はいるみたいだけど…家族と暮らせないのは俺の中で許せない……どうにかできないのか?
水「水神様、少しよろしいですか?」
綾「え?あー、いいよ。何?」
水「僕と……『血切り』をして頂きとうございます」
綾「契り?」
確か誓いとか固い約束のことだよな…
成「水、お前それは…」
水「僕は生まれた時から貴方の術者、そして従者
として恥ずかしくないよう育てられて参りました
必ずや悪しきモノからお守り致します故、血切りを
結んで頂きとうございます」
綾「えっと…」
風「なぁ、話を遮って悪いんだけどよ…契りって
何をするんだ?」
風にぃグッジョブ!
成「水の言っとる血切りはお前らの
想像しとるものとは全くちゃうぞ?
文字からしてちゃうからの」
雷「ちゃう?」
成「あー、違うって意味や。癖が出てしもうたわ
すまんの」
雷「いえ。意味がわかったので、
ちゃうでも大丈夫です」
成「ありがとうな。違う、ってのは
どうも慣れなくてな。意識するの大変やった」
雷翔はすみませんと肩を竦めた
成「ほな、話を戻すな。水の言う血切りは
血を切るって書いて血切りや。文字通り血を使って
誓いを立てるんよ。これは俺らの世界で主従関係を
結ぶ方法の中で最も濃い方法や」
綾「どうやってやるんだ?」
成「種族によってちゃうから俺には水神の所が
どうやっとたかは知らん。まぁ俺の所は
お互い喉に噛み付いて血を飲んどったな」
風「痛くないのか?」
成「俺は蛇の姿になって体に悪影響を及ぼさん
毒で麻痺させるから痛みは無いはずや
それに俺は、噛まれても血は出るが
痛みを感じる程でもない
せやからお互いそんな心配はいらんかったな」
風「へぇ……なら、お前らはどうやるんだ?」
風翔は水怜に向かって問いかけた
水「僕達は、主となる者が従者となる者に自分の
手の甲に傷をつけさせ、それを従者は舐めます
その後、従者となる者の額に主となる者が
傷をつけそれを舐めます。これで血切りは終わりです」
成「ほぉ…やっぱちゃうんやな」
風「傷は残るのか?」
水「いえ、残りませぬ。僕達の家系は
軽傷であれば舐めて傷を治すことができます
故に、水神様に傷を残す事はございません」
風「ならいい」
綾「水怜は?俺にはそんな力は無いから
傷を治してやることは出来ない」
俺だけ治るなんて駄目だ。しかも水怜は額に、顔に傷をつけるんだ。俺の手の甲とは訳が違う
すると水怜はニコリと笑った
水「心配には及びませぬ。血切りをすることで
僕と水神様の血が繋がり混ざります。故に水神様も
僕と同じ様に傷を治せるようになります
ですので僕に傷が残る事はございません」
血が混ざる?……ってことは……っ!だったら…
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