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暴走 3
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フ「……皓、訫、少しいいですか?」
その呼び声に2人は肩をびくつかせた。何故なら声のトーンが少し下がっていたからだ
2人はゆっくりと振り返り、ファルを見た瞬間に、ひっ!と声を上げた
フ「言ったことをもう忘れたのですか?先程は
蛇神に免じて許して差し上げたのに、無駄にして
しまいましたね?…さてと、どうしましょうか?」
水神と恵以外のそこに居た者全員は、ファルの見せた笑にゾッとした。水神の家臣の中には脚が震えている者も居た。だが、皓と訫はそれ以上に体をビクつかせ顔面蒼白状態だった
恵「あーあ、めんどーな事になっちゃったなー」
水「全くだ…面倒事が嫌いなファル自身を
怒らせた時ほど面倒なことは無い」
恵と水神は側にあった大きな切り株に2人で腰をかけてファルを見ていた
皓「…お、う…?」
フ「んー?なんですか?よく聞こえませんねー」
そう言いながらファルは歩を進めた。1歩、1歩、ゆっくりと…恐怖を煽るように……
蛇「ファル、殿?」
フ「すみません、蛇神
私の教育不足でとんだご無礼を。許して下さい」
蛇「え、あ、許すも何も怒ってなどいませぬ故
謝らないで下さい」
フ「そうですか、ありがとうございます
……さて…皓、訫、どうします?」
訫「王…や、怒んないで……怖いよ……」
フ「そうですか。ですが、仕方ありませんよね?」
皓と訫はお互いの手を握り合ってガクガクと震えていた
それほどファル殿を怒らせると怖いのだろうか…?いや、これは愚問だったな…先の笑顔で大方察しがつく…。ならば、なんとかしなくては……
皓「へ、蛇神様…」
皓と訫は縋るような目で蛇神を見た
フ「主に助けを求めるなど情けない…
蛇神、1度この2人と契約を切ってもらえますか?」
蛇「えっ!?」
孋「王、それは幾ら何でも!」
契約を切る!?
皓と訫の顔は蒼白どころか、もはや真っ白だった
皓「それは…王…それだけは……」
訫「王、嫌だよ!もう蛇神様をからかったり
しないから!いい術者になるから!
記憶なくなっちゃうなんて絶対嫌だよ!」
記憶を無くす……?それは俺のことも忘れるのか…?
蛇神の側に孋桜と媙吹が近寄り、言った
媙「その通りだよ…1度綿毛に戻って1からやり直すの」
孋「王の言うことは絶対です……
私達妖精はどんなに抗ったとしても、それは
無駄に終わります
それに、本気の抵抗など自殺行為そのものですから…」
抗っても無駄…それだと……
蛇「全て…なかったことになるのか……?」
蛇神の言葉に2人は目をギュッと瞑ってゆっくり頷いた
そ、んな……こんな俺を認めてくれた者が、皓と訫が…俺の家族が消えるだと……?
水「おい、蛇神…?」
ずっと黙って見守っていた水神は蛇神の異変に気づき声を発した
蛇「………………………………………………させるか」
次の瞬間、蛇神の周りは勢い良く放出された神力により黄金に光り輝いた
皓「蛇神、様…?」
フ「ほぉ…見事だな……」
恵「これは…」
孋「きゃあ!」
水「このバカ息子がっ!妖精達、蛇神から離れよ!」
媙「えっ!?」
水「説明は後だ!妖精達皆、妾の元へ来い!」
妖精達は水神の有無を言わさぬ声に従い、水神の元へ移動した。妖精達は振り返り蛇神を見る
訫「何…あれ……」
孋「水神殿、あれは本当に蛇神様なのですか…?」
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