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幼い時に 2
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水「孋桜はどうだ、何か聞こえたか?」
媙「大量の霊とその声に邪魔されてるみたい…」
水「大量の霊だと…?何故、蛇神の中に…」
フ「それは戻った後に直接聞くことをお勧めします」
水「ファル?」
ファルは飛んでくる蛇を払いながらそう言った
フ「蛇神は今、色々葛藤しているようですよ?」
水「何に…」
水神はファルから蛇神に視線を移す。神刀を抜こうとする右手は訫の力により氷漬けにされていた。たが、それにもヒビが入り今にも壊れそうになっている
瞳は相変わらず光を宿らせておらず、濁ったままの状態だった
水「…ん?左目が赤い…?」
孋「水神殿、見えましたよ!」
水「誠か!?」
孋「はい。水神殿にも見せることは可能なのですが
今の私のように互いに意識を保てなくなります
それでも見ますか?」
水「構わぬ、見せてくれ!」
孋「では、御手を!」
水「ああ、頼む」
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
蛇神の中の声は怒りに満ちていた
何故皆、私の大切なものを奪う…憎い……憎い…憎い!
水「蛇神…」
やっと手に入れた母以外の家族を何故奪われなければならないのだ!私を慕ってくれる者達なのに…大切な者達なのに…!
孋「蛇神様…」
だが、怒りの中には悲しみも混じっていた
どうすればよい…どうすれば強くなることが出来るのだ!何をすれば大切なものを守れる…!どう…すれば……
孋「あれはっ!水神殿、あそこに子どもがおります!」
水「何処だ!」
水神が孋桜の指差す方を見ると膝を抱えて蹲る幼子が居た。幼子は肩を震わせ嗚咽を漏らしていた
ねぇ、誰か助けてよ……知ってるなら教えてよぉ……僕はただ……
孋「水神殿、何処へ!」
水神はその幼子を目に映した瞬間走り出した
ただ……
水神はその幼子をよく知っていた。母様、母様、と言ってよく笑顔を見せていた水神の何よりも愛しい存在
もう何も失いたくないだけなのに…
水「蛇神っ!」
水神はその小さな体をあらゆるものから守るように、包み込むようにギュッと抱きしめた
蛇「………母、様…?」
水「ああ、そうだ……。何故泣いていたのだ?」
蛇「あの、ね………」
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
訫「もぉ!孋桜はまだなのぉー?
暖かい時期に出る力は限られてるのにぃー!」
訫はあれからずっと蛇神の手を封じていた
皓「なら下がれ!下がって水神殿を守れ!
お前は最前線で飛ばしすぎなんだよ!」
皓は蛇神の手を封じることで精一杯の訫の背を守るように、背中を合わせ防壁を作り、光の矢を放ち抗戦していた
訫「だってぇ!これ抑えなきゃ大変な事になるもん!」
皓「だってもクソもねぇ!黙って下がれ!
ここでお前が倒れたら洒落にならねぇんだよ!」
媙「訫、私が風圧で抑えるから大丈夫だよ!
私と交換して!」
訫「…分かった。じゃあいくよ!」
媙「いつでも!」
訫「3、2、1…はい!」
媙「くっ……!」
訫「はぁはぁはぁ…はぁはぁ、はぁ……」
皓「おい、大丈夫か?」
訫「何とかねー……でもこのままじゃ蛇神様の体が
壊れちゃうよ…あきぃ、どうしよぉ…」
皓「泣くな。水神殿と孋桜が絶対何とかしてくれる
それまで頑張れ」
訫「あきもさっき泣いてたくせに…」
皓「うるせぇ!せっかく励ましてやったのにそれかよ」
訫「ふふっ、ごめん」
皓「とりあえずお前は水神殿と孋桜を守りながら
力を温存しとけ。なんも心配すんな」
訫はコクリと頷き水神殿と孋桜の周りに氷の壁を張った
皓「お前もそん中入ってろ」
訫「でも…」
媙「訫、入りな!あとは私達2人に任せて!」
訫「媙吹…ありがとぉ」
媙「その代わり2人をしっかり守ってよ?」
訫「勿論!」
訫が氷の壁の中に入って行くと皓が媙吹の背に回った
皓「で、この後どーするよ?王は自分を守りながら
俺らの行動を観察してるから助けには来ねぇぞ?」
媙「そうだね…蛇神様を元に戻すのも私達の力も
時間の問題ってわけか……」
媙吹は苦虫を噛み潰したような顔をした
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