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幼い時に 3
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媙「……皓」
皓「何?何かいい考えでも浮かんだ?」
媙「いや、その逆。氷が割れる」
皓「嘘だろ!?今割れたらとんでもねぇ事になるぞ!」
媙「そんなの分かってる!私の力は大丈夫でも
氷の方が限界なの!これ以上圧を上げたら砕けちゃう
でも、緩めたら蛇神様の手が解放されちゃうの」
皓「くそっ!孋桜早くしてくれ!」
皓がそう叫んだと同時に氷が砕けた。だが、蛇神の手は神刀を抜くことは無く、ダラリと落ちた
媙「あれ…手が止まった……?」
蛇「…………………………母、様…」
媙「えっ…?」
皓「おい、媙吹……今……」
媙吹と皓は同時に蛇神を見る
媙「蛇神様が…」
皓「泣いてる…?」
2人の目に映ったのは、表情は変わらぬまま、右目から涙を流す蛇神の姿だった
皓「なぁ、媙吹。確か右目から流す涙って…」
媙「うん……蛇神様が自身を偽って、
押し殺してる証拠だよ」
皓「蛇神様……っ、俺!ずっと蛇神様のそばにいる!
居てやるから、もう我慢すんじゃねぇよ!」
皓は尚も続く蛇の攻撃を防ぎながら大声で蛇神に訴えかけた
媙「皓何を言って…」
皓「きっと蛇神様は、体は大人でも
心は幼いままなんだ。幼い時に何かあったんだ!
だから遠回しにじゃなくて
素直に簡単に言うのが1番だと思ったんだよ」
媙「……蛇神様!
私達はずっと蛇神様の側にいるからね!」
蛇「………………い……ぶき…」
皓&媙「っ!」
媙「そうだよ!媙吹だよ!分かる?」
皓「蛇神様!俺も居るぞ!早く起きろよ!」
蛇「…あき、ら……」
2人は蛇神の瞳に光が宿っていくのを見た
媙「もう少し…あと少しで……!」
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
蛇「あの、ね……」
小さな蛇神は涙をボロボロと流しながら水神に言う
蛇「僕のせいで、沢山死んじゃったの…
あの時僕が居なかったら、皆…死なずにすんだのに……
僕のせいでっ!」
水「蛇神…」
水神は言葉が出なかった。蛇神がこんなにも大きな傷を負っていたなど知らなかったからだ
蛇「皆、僕を庇って死んでいった!
僕が仲良くしていなかったら、皆は変わらずに
楽しく生きてたはずなのに僕がそれを奪った!」
水神は蛇神をより強く抱きしめた
白「それは違うぞ小僧」
水「お前は…」
蛇「白蛇!」
真っ白の蛇はゆっくり蛇神と水神に近づきながら言う
白「お前のせいで皆が死んだわけではない
誰もお前のせいとは思っていない。皆お前が大切
だっただけだ。勿論俺もな」
蛇「で、でも…」
白「泣くな小僧。お前は母を守りたいんだろ?」
水「え?」
蛇「うん……母様を狙う奴は許さない…」
白蛇は蛇神にグッと顔を寄せた
白「ならば泣いてる暇はないだろ?早く戻れ」
蛇「うん…白蛇、また会お!」
そう言って幼い蛇神は眠った。水神はそれを見てほっとすると白蛇が話しかけてきた
白「…お前が水神で違わないか?」
水「如何にも」
白「その後ろの妖精はファルの子だよな?」
孋「はい。そして、蛇神様の術者です
名は孋桜と申します」
白「術者か…ならばお前にも聞く権利はあるな」
水「白蛇と言うておったが、お前は誰だ
何故蛇神の中に居る」
白「俺の名は白蛇。全ての蛇を統べる者
そして今はそいつの体の一部だ」
水神は何?と言い、怪訝な顔をした
孋「そのような方が何故…」
白「経緯を話すと長くなるに加え、余り時間が無い
だから簡潔に言わせてもらう。いいか?」
水「ああ…構わぬ」
孋桜もコクリと頷く
白「内容は全部で5つ
1、傷を負った俺を小僧が助けた
2、悪魔の使いと言われていた俺らの一族を仲間と
言ってくれた。3、俺ら一族とそいつの命を狙う奴が
手を組み奇襲をかけてきた。
4、小僧が俺らを庇い壊れた。5、」
水「待て!壊れた?妾は何も聞いておらぬぞ!」
声を荒らげる水神に白蛇はそりゃそうだろ、と言った
白「お前に心配かけまいと小僧が必死に隠していた
からな。まぁ…俺の口から伝える方法もあったが、
言わないよう口止めされていたしな」
水「…バカ息子が……」
水神が自分の腕の中で眠る我が子の肩に顔を埋(うず)めた
孋「白蛇さん
先程言いかけていた5つ目は何ですか?」
白「ああ、そうそう。最後のは、俺の命をそいつに
くれてやった。以上だ」
水「妾としては感謝してもしきれない程の事だが、
何故だ?」
白「…俺の中には死んだ仲間の命がある
4つ目の時、俺らは小僧を連れて逃げた
その時、俺と小僧を庇い死んだ一族の者が相次いだ
俺はそいつらと共に恩師である小僧と生きるのも
悪くないと思った迄だ」
孋「では、あの蛇達と大量の霊と声は…」
白「ああ、滅びた俺の一族の者達だ
あいつらも小僧を守ろうと必死だったんだろう
まぁ、それが今回も負荷になったみたいだけどな」
水「今回も?」
白「暴走の原因は俺の一族らだからな」
白蛇がそう言うと、4人と囲むように沢山の蛇が現れた
水「この者達か?」
白「ああ、一族の者達だ。お前らに謝罪したいそうだ」
水「……謝罪など受け取らぬ。そんなもの必要ないわ」
水神が俯きながらそう言うと白蛇の声が低くなる
白「必要ない、だと?」
孋「み、水神殿?」
水神と白蛇の間に流れるただならぬ雰囲気に孋桜は焦った。だが、それは水神の次の一言で消えた
水「その代わりと言ってはなんだが、
これからもこいつをの事を頼まれてくれぬか?」
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