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第一章:愛しき悪魔のおそ松兄さん3
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sideチョロ松
鏡を覗き込んだおそ松兄さんは、一瞬絶句した。僕を振り返り、
「これ?俺?」
と鏡が映し出した姿を指差した。
「うん…」
僕が頷くと、兄さんはもう一度鏡を見た。
「いやぁあああああ!」
両手で顔を覆い、泣き崩れる兄さんを僕は、支えることしか出来なくて、それでも何度も何度も兄さんの名前を呼んだ。
――失せろ。今日限りでお前とは赤の他人だ。
数時間前に僕が兄さんに言った言葉。
今更凄く後悔した。
僕があんなことを言ってしまったから、いつもの、僕がよく知ってる兄さんが消えてしまったんじゃないのか?
…あれは決して本心じゃなかったのに。
「大丈夫だよ。おそ松兄さん」
僕は兄さんを抱き寄せた。兄さんは素直に僕にしがみついてくれたが、僕は翼のついた背中を何度も擦ってやることしか出来なかった。
父さんと母さんには、僕とカラ松から説明した。
と言っても、カラ松は、殆ど使いものにならず、説明するのは専ら僕なのだけれども。
それでも居てくれるだけで、大分心持ちが違った。
母さんは僕達同様、かなり気が動転して、同じことを何度も聞いてきた。
父さんは一言「分かった」と言ったけれど、本当に分かっているのか怪しげだった。
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