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第三章:目覚めし悪魔のおそ松兄さん2
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side一松
「カラ松は、前世を信じる人?前世に拘る人?」
俺は、ぽかんとた表情で硬直するカラ松に、わざと意地悪く笑ってみせた。
「二十数年ずっと、あんた見てるけど、ちょっと拘り過ぎ。疲れない?」
「へ…」
「俺はあんたが悪霊にならなければ、それで十分なんだけど」
カラ松は、目をしばしばと瞬かせている。
「一松…お前…誰だ?」
――ああ…やっぱり気付いてくれてなかったんだ。こいつ、おそ松兄さんと、鏡ばっかり見てるもんな。
「死神」
「えぇぇぇ――!」
「そんなに驚くなよ。水の精」
そうだ。
こいつの転生は、俺が持ち掛けたこと。
あの劣等悪魔を好いていたのに、女神に持って行かれたからな。
見掛けによらず、一途で不器用な奴だから、あのまま放っておいたら、悪霊と化する可能性があった。
ただ、くじ運の無いこいつが三分の一の当たりくじを引き当ててしまうなんて思ってなかったんだ。
――俺は、あんたを苦しめるつもりなんてなかったのに。
「何で!?何で死神が!?」
「よく考えろ。神と精と悪魔のミックスなんだからね、この兄弟。監視役くらいつけるでしょ、普通」
「じゃあ…十四松とトド松は!?」
「あぁ、あの二人ね。あの二人は…いや、俺、懲戒免職とか無理だから、言えない。守秘義務だから」
「何だよ…それ」
「神には神の事情があるんだよ」
――もっと自由になりなよ。カラ松。
その時だった。
「大変だ!」
今しがた、おそ松兄さんと二階に行った、チョロ松兄さんが階段を滑り降りてきた。
尋常じゃない気配に、トイレからトド松が、押し入れから十四松も顔を出す。
「おそ松兄さんが息してないっ!」
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