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仁「いただきまーーす」
結局、夕飯を共にしている3人。
律郎「・・・ 」
多喜良「聞けば車にひかれたっていうんで今日はカツドンーー!!」
フタ付丼はふたつしかないらしく、
仁と律郎に丼、多喜良はサラダボール
のような器に入れてある。
多喜良「ケーサツ、事情聴取といえば、やっぱりカツ丼!あ、知ってました?今ケーサツではカツ丼もコーヒーもでないんですよ」
多喜良のうんちくを無視してカツ丼を
口にはこぶ律郎。
律郎(…うまっ!!!)
グルメマンガ並に目が光る。
仁「あ、今うまっ!!!て、思っただろー。目が光ってたぞ」
律郎「光ってない」
仁「ウソいうなよ、おれ律郎のこと、なんでもわかるんだからなー」
多喜良「フジりん愛されてますなー」
律郎「ヘンな呼び方するな!きしょくわるいっ」
仁「でさでさ、なんで別れちゃったの?」
興味津々、いたずらっこの顔をする仁。
律郎(こいつ…さっき心が痛いとか言ってなかったっけ?)
律郎「…まぁ、あの後、今度はおふくろが倒れたんだよ。といってもどっと疲れが出たってやつで1ヶ月程度の入院ですんだけどな。無事ヨメをもらったものの、おふくろの入院で、オヤジはこのままではいかんと思ったらしく、突然大食いになったんだよ」
仁「大食い?」
律郎「食って治すんだ、とか言いだして、四六時中食ってるありさまで、大丈夫か?って心配になったんだけど、まわりが余命を考えて気やすめにやらせてやれって言いだしたんだ」
多喜良「ヨーカン食いたいと思いながらも、願い叶わず、あぁなんちゅー悲劇!!わかるーー」
律郎「…。 あの当時は皆、余命あとわずかという言葉にかなり影響されてて。・・・それで子供もすぐにできたんだよ。それを知ったオヤジは生きる気満々になって…」
仁「なって…? (ゴクリ)」
律郎「なんと奇跡の完治」
おおーーっ と歓声があがる。
仁「マジかーー」
多喜良「いやーー、やっぱ食って大事なんだなーー」
律郎「医者も驚く奇跡が起きたんだ」
仁「あるんだなー、そーいうコトが」
多喜良「…で、そこから何故離婚に?」
ストレートな物言いにイラッとしつつも
話を続ける。
律郎「その後はよくある話だ。酔いがさめて冷静になりだしたように、ヨメ、姑間のいさかいが起き始めてオヤジは孫の下僕となりはてた。キレたヨメは離婚届を俺に投げつけ子供と出て行った」
仁「しゅらば~~~~」
『あはは~元気なことは、いーことだぁ、
さぁもっとやっていいんだぞぉ?』と
孫にむごい仕打をされながらも
喜ぶオヤジ。
『そこはしつけとして怒れよ』と
あきれる律郎。
お互い鬼顔の嫁、姑(母)、
修羅場な過去が
繰り広げられる。
ふう、とひと息つく律郎。
律郎「あんな思いはもうこりごりだ…」
仁「疲れきったんだな、律郎」
律郎「ちょうど社内で新プロジェクトがたち上がり参加希望者を募ってた時期だったから、早々に離婚手続
きを済ませて逃げるようにこっちへ来たんだ」
仁「そーだったんだー…」
多喜良「ああ人生、小説よりも奇なり」
仁「じゃあさ、フロ入ってけよ!おれ背中流してやる」
律郎「え、何言っ…」
仁「前もさ、会社で嫌(ヤ)な事あった時とかおれ背中流してただろ、ここでひとつ今までのアカ流してけよ!!」
多喜良「おーっ、そりゃいいっさすがジィーン、ナイッス!!」
仁「だろっ!」
びしっと親指立ててポーズしあう。
律郎(ジィーン、って呼んでんのか。シュミ悪ぃ…)
仁「なっ、入ってけよっ」
天使フェイス仁。
律郎「…う、 ああ…いいのか?」
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