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--回想終了--
仁「…で、その晩泊まって以来現在に至る、ってわけなんだけど」
律郎「・・・ 」
額に手をあてる律郎。
律郎(こういういいかげんなさも、目が離せなかったんだよな…)
律郎「一本、もらったのか?」
仁「うん、一本」
サンドイッチのパッケージを開封、取り出す。
仁「いただきます。律郎、半分コしよーぜ」
律郎「え、俺はいいからお前が食べろよ」
仁「遠慮すんなって。ハイ」
差し出されたのは具が
ちょっっつぴりだけ付いたパンの片方。
律郎「・ ・ ・ 」
仁「うまいな(*^▽^*) 」
ご機嫌スマイル。
仁「律郎はさ、こーいう傍若無人な俺を出せる安心があってさ…。ヨッシーは、同志、っていうか…
おれが今ガラス職人やってるのはあの日のヨッシーのお抹茶茶碗がキッカケで。…でもレンアイの好き、も、ちょっとあったりして…」
意を決したように、律郎を正面から見つめる。
仁「…正直に言う」
律郎「・・・ 」
仁「…当時は、ここに着いたばっかでまだ荒れてる余韻が抜けきってなくて、おれはヨッシーと…」
静かに首を振る律郎。
律郎「言わなくていい。その頃は俺と別れた後なんだ。お前が誰とつき合おうと、それはお前の自由だ」
仁「気にならないのかよ」
律郎「なる。正直なる。でも、これでおあいこじゃないのか?」
仁「そうなのか!?」
律郎「あいつの気持ちはちゃんとたしかめたのか?」
仁「ヨッシーは、聞くと芝居じみてくるからさ…。でもゆっくりゆるくいこう、って。律郎のこと、どこかで煮ええきらないおれを手のひらで遊ばせてる観音様みたいな。あっ、束縛しない、って言えばいいのか?『お前が輝くためならオレは喜んで踏台になる』ってさ」
律郎「 ドS(エス)?」
仁「 なのかな?」
律郎(バラの花一輪、〝ひとめぼれ〟…か)
仁「なぁ、律郎やっぱサンドイッチ半分ヨッシーに食わせたいんだけど…」
めずらしく気まずそうな表情で覗いをたてる。
上目使いがまたかわいい。
律郎「しょうがないな。敵に塩を送るとするか」
にこっ、ぱあっと笑顔がこぼれる。
仁「ありがとな、律郎。これ、おいてくる」
多喜良工房。
仁についてきた律郎。
〝保存食用羊羹〟を丸かじりしている多喜良。
見ればわざわざ〝羊羹スペース〟の棚がある。
律郎「・・・ 」
仁「・・・ 」
多喜良「・・・ 」
多喜良「うおーーさすが天使仁(アンジェラジーン)。やさしーなーー」
感涙多喜良。
律郎「帰るぞ(怒)」
律郎に引っぱられる仁。
仁の工房に戻り、スイーツも食べ終えた。
仁「あ、検査大丈夫だったぞ」
律郎「え?」
仁「お前がきのう受けてこいって言ったんだろ」
律郎「ああ…そうだったな。そういえば、きのうの今日なんだな。あまりの急展開にすっかり忘れてた」
仁「おれの体、どーでもいい、ってのかよ?」
律郎「違うって」
仁「だいたい検査してるヒマなんかないっつーの!ヨッシーの個展10日後でさ、おれあと一点作って
わたさなきゃなんないんだぞ」
律郎「間に合うのか?」
仁「あたりまえ」
自信満々鼻息荒い。
仁「なんかさ、今、無敵な気分だから」
律郎「そうか…」
仁「さ、そろそろ始めよーか」
律郎「え、なにを?」
仁「体験コースだよ!ストラップとかキーホルダーなんかだったら、さりげに身につけられるだろ、
何作る?」
律郎「それなら…お前とお揃いの、ブレスレットに付いてたガラス玉がいい」
手元のブレスレットを見る。
仁「…コレ、か?」
律郎「ああ。ついでに貝ガラもいっこ付けて、長めの革紐にでも通せばワイシャツの下につけても
大丈夫だろ」
仁「首飾り、おそろい…で、いいのか?」
律郎「ああ、それがいい」
仁「…。 殴っていいか?」
律郎「なんでだよ!?」
二人硝子細工を作り始める。
引き出しに入っていた貝ガラの残りから
一個チョイスして細工する。
手作り用の鎖や革紐から
気に入ったものを選び組合せる。
向き合って笑う二人。
植物レインボーも見守っている。
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貴重なお時間を使って
ここまで読んで頂きありがとうございます!
後半突入です。
もう少しお付き合いくださいm(__)m
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