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普通という争い
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今日の1階の兄弟達はグダグダと転がっている。
いや、今日も、の方が正しいかもしれない。
空は夕焼けでオレンジ色になり、風を通すために少し開けた窓から夕飯の匂いがどこからか漂ってきた。
「…あー…腹減ったなあ…」
何度も読み返した漫画を脇に置き、おそ松が寝転がったままうーんと伸びをして体をほぐす。
「…確かに~」
トド松もスマホから目を離して頷いた。チョロ松が顔を上げてずっとさっきから気になっていた事を口にした。
「十四松、それやめたら?」
呆れた様子で注意すると「あい」と十四松がバットを振る手を止める。
「早く片付けてよ」
「あい」
十四松がバットをいそいそと片付けるのを横目で見ながらチョロ松がふう、と息を吐く。
部屋に傷はついてないな。そして部屋の端で座っている紫のパーカーを見つめる。
一松は猫と戯れながら遊んでいて特に視線にも気づかず、
反応もない。
チョロ松が一松を横目で見つめる。
おそ松が漫画の陰から一松を盗み見る。
トド松がスマホのカメラ越しに一松を見つめる。
カラ松が鏡の反射を使い、一松を盗み見る。
4人の視線が一松で交差する。
一瞬、火花が散った。
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