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夢と現と末っ子
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一瞬沈黙が3人の間を流れる。それからおそ松が口を開いた。
「…やだ」
床でくたりと寝そべっていた一松が目を開く。それはトド松も同じだった。
「えっ!?次僕だって言ってたじゃん!?」
トド松が慌てて突っ込んだ。
「やだ!一松は兄ちゃんのもんだ!!」
絶対離してやるものかとでも言いたげにおそ松が一松の体をギュッと抱きしめる。
「はぁぁぁ??」
呆れと怒りが相混ぜになった顔でトド松が2人に近寄る。
「先にヤらせてあげたのに!?兄弟の中で1番最初に童貞卒業するのは僕だと思った所をおそ松兄さんに譲ったのに!?」
トド松がどけ、と言うようにおそ松の体を一松から引き離そうとする。
「やだね!!絶対ヤらせるもんか!!」
おそ松は一松にすがってでも離さないつもりらしい。トド松に引き離そうとされてもしつこく一松にしがみついた。
「お…、重い…く、くるし…」
一松がそう呟く声もあまり届いていないようでおそ松とトド松は一松そっちのけでぎゃあぎゃあと騒いでいる。
「僕だって一松兄さんが好きなんだけど!?一松兄さんはクズ長男なんかにはもったいないよ!ほら僕に渡して!!」
トド松がそうまくし立てるとおそ松が何だと、と更に噛みつく。
「トッティには言われたくないな〜何もなし男!!」
「え、なんでそれ知ってんのぉぉぉぉぉッ!?」
黙れ!!とトド松が必死におそ松の口を閉ざす。
「…ねぇ…俺の意見…」
一松がおそ松のパーカーの裾を引いて、小さく声をあげた。
どうやら全く耳に入れてもらえないようだ。
何という理不尽。俺の意見はフル無視か。
ムスッとした一松はおそ松に声を掛けるのを諦めてその体に自分の体重を預ける。
セックスは体力を使う、とか聞いていたけどここまでくるとは思っていなかった。
体重を預けると瞼が勝手に落ちていく。おそ松の温かい体温と規則正しい心音がまるで子守唄にでもなったかのように一松を眠りに誘った。
夢と現の間。今にも眠れそうで、それが気持ちよくて寝たくない。うつらうつらとして、意識を手放して夢へ旅立とうとしたその時。
「ちょっ…一松兄さん寝ないで?ねぇ、僕とヤろう?」
「……ちっ…」
トド松が無理やり起こした。一気に一松が不機嫌になる。
「え、舌打ち酷くない!?」
傷ついた顔のトド松におそ松がドヤ顔で一言。
「そんだけ一松はトド松じゃなくてお兄ちゃんが好きなの!」
「…寝かせろ…」
「…ねぇ、お願い!!僕も一松兄さんの特別になりたい!…はぁ…なんでクズなんかに譲ったのかなあ…」
「…はあ…?」
トド松が必死に手を合わせる。一松は呆れたようにため息を吐く。
「…ね…お願いだから…」
しゅんとしたトド松に一松は困ったように眉を寄せる。
「…疲れたし…」
しかし、一松はとても、
とてもトド松のこういう顔に弱いのだ。
「…疲れててもいいから…ね?」
トド松のしょぼんと肩を落とす仕草さえもあざといが一松には効果てきめんな事を末っ子は知っていた。
一松の瞳がほんの僅か逡巡で揺れる。
「…ッ…」
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