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うさぎが好きな理由
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隣に木村がいる。
前まではキミ以外居ることなんてなかったのに。
「どこかに寄るか??」なんて聞かれたから、そんな場所、帰り道のペットショップしかなくて、「うさぎさんを見る……」とか言ったら笑われた。
そんなに笑わなくていいじゃないか。
唇を尖らせてそっぽを向く。
笑いはしたもののちゃんと着いてきてくれるんだから木村って優しい。
「なぁ、」
「何??」
「香野って何でうさぎ好きなの??」
木村がふと問いかける。
どうしてうさぎが好き、か……。
そういえばそんなこと考えたことなかった。
でも、確かにきっかけはあって、きっと理由はある。
そうなはずなのにそのきっかけも理由も思い出せない。
「なんと、なく??」
答えが分からないから首を横に傾けてぽつり。
「なんだよそれ~」
だって。
いや、そんなこと言われたって分からないものは分からないし。
かわいいから??
……それは間違いない。
もこもこしてるから??
……それも間違ってない。
「お前の持ち物全部うさぎだし、髪型もよくうさぎさんだし何か思い入れでもあるのかと思ってたわ。」
拍子抜けだわ、と言わんばかりに木村がいう。
ごめんなさいね!!
理由を忘れていて。
でも、いいじゃん、好きなものは好きなんだから。
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