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登校途中のかわいいもふもふ
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鍵を閉めて家を出る。
まぁ、鍵を閉めるのさえキミがするんだけど。
「海、行こう。」
そう言って、キミは手を差し出すけれど、手はとらずにボクは歩き始めた。
いつもの通学路。
街路樹の桜は散り、青葉が芽吹き始めている。
キミよりも少し先に歩き始めたのにキミはもう隣にいる。
歩くのが遅いボクにキミはあわせてくれてる。
鬱陶しいけど、キミはボクの隣にいてくれないと困るんだ。
赤信号で止まる。
キミの目線がある場所をみる。
しかし、すぐにその目線をそらし、信号に目をうつした。
不思議に思ったボクはキミが見ていた方向に目を向ける。
ペットショップにうさぎ入荷しましたの貼り紙。
ボクの大好きなうさぎさん。
信号が青になるとキミは歩き始める。
すたすたと。
ボクがうさぎに釘付けにならないよう、目線をそらせるため、でしょう⁇
置いていかれると、ボクはキミについていくから。
ペットショップに目を向けるとガラス越しにうさぎが見えた。
耳の垂れた茶色のうさぎさん。
口をもごもごとしてかわいい。
ボクはキミについていくのをやめガラスに張り付いた。
少ししてキミが気付き、ボクの元に来る。
「海‼︎遅刻しちゃう‼︎」
「うさぎさん。」
「うん。うさぎさん、かわいいね。」
キミはそういいながらボクを抱き上げようとする。
こうなったらボク、動かないもんね⁇
「うさぎさん、寂しいと死んじゃうんだよ。」
ボクはキミに告げる。
でも、キミは「はい。はい。」とだけ言って、ボクを抱き上げ、学校に向かった。
まだまだうさぎさんを眺めたかったボクはぶすっとするけど、キミには敵わない。
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