アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ひとりで向かう学校
-
学校に行かなきゃ。
早く準備して、早く家を出なきゃキミのことだから「要らない」って言ったくらいじゃココにきてしまう。
時間割表ってどれだろう??
今日は何がいるんだろう??
教科書はどこにあるの??
ノートはどこ??
筆箱の中身はこれで大丈夫かな??
どれだけボクはキミに頼っていたんだ。
こんなの小学生だってひとりでできるようになっているはずだ。
ははっと笑いが漏れる。
なんとか準備をしてハンガーに丁寧にかけられていた制服を手に取って着る。
キミってば制服もこんなふうにきれいにしてくれていたんだ。
階段を降りて冷蔵庫を覗いて朝ご飯になりそうなモノを見る。
卵、ベーコン、生肉……生で食べられそうなものは一つもない。牛乳と麦茶があるけどそんなものでお腹が膨れるとは思わないし、牛乳なんて飲む気もしない。
行く途中のコンビニで買っていくか、そう思ってパタンと冷蔵庫を閉めると家を出る。
そして、コンビニに入って気付いたんだ。
ボクってば財布すら自分で持っていなかったということに。
パンの棚を目の前にはぁと溜め息を吐いて学校に向かう。
そういえば最近はキミに抱えられることが多くて自分で歩いて学校に行くのも少なかった気がする。
こんなに学校って遠かったっけ??
やっと学校について教室に行く気すら起きなくていつもの場所、保健室に向かう。
しかし、朝早かったらしい。
手をかけた戸は開かずに鍵がかかっていた。
そういえば家の鍵締めたっけ??
ふとそんなことが頭に浮かんだ。
ボクは本当にひとりじゃ何も出来ていないことに悲しくなってきた。
でも、それじゃダメなんだ。
キミから離れるためにひとりでできなきゃいけないんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 40