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その日、仕事の帰りに新宿二丁目に不意に立ち寄った。もうこうなったら恋人をみつけてやるという、意気込みだった。
夜にスーツ姿は目立つな……。
そう思いながらも、足を止めずに前を歩いた。
怖いな、どうしよう。やっぱり帰ろうか。
――いや、しかし。今日は自分で恋人をみつけると、朝から決意を胸に家を飛び出したんだ。このまま黙って帰れるか……!
た、確かめるんだ……!
自分がホモとしての適合者かを……!
ホモの素質、そうだ……!
俺は腐男子だが、ホモの扉は開いていない。
きっとここに来れば、ホモの『扉』が開かれるんじゃないのか…――!?
「ねー、そこのスーツ姿の良いお兄さん。あたしと楽しい場所に行かな〜い?」
そう言われて後ろを振り返ると、ケバい化粧したオカマの男性がいた。余りの化粧さと年がいってる感じの人だったので、このままでは恋人を探す前に食われると思い。そこから秒速マッハの早さで颯爽と逃げた。
「いえ、けっこうです……!」
そう言って全速力で逃げた。伊達に10代の時に陸上部に入っていたわけじゃない。
自慢じゃないが、足だけは昔から早かった。化粧いオカマの男性から逃げ切ると外灯の方に寄って手をついて一休みした。
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