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人形の君
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愛してるよ。
君がこの世で一番好きなんだ。
だけどね、この思いは絶対に伝えられない。
だって僕達親友だもんね。
ベッドで横たわって寝ている君にそっとキスをした。
僕は生まれた時から異常だったんだろう。
親は僕に対して冷たかった。
僕を見る度に母親は
「お前が生まれてこなければよかった」
と言う。父親は目障りだと言って殴る。
弟ができてからはもっと酷かった。
母親は弟のことばかり可愛がった。
父親は僕のことを奴隷のように扱った。
弟には一人部屋があった。
僕は押し入れの中でのみ寝ていいと言われた。
少しでも喋ると殴られた。
弟と会話することも許されなかった。
が、ある日両親がでかけていた。
弟と2人きりだった。
僕は家の掃除をするように言われていたからいつも通りに掃除をしていた。
すると弟が話しかけてきた。
「…兄さん。」
話しかけられた時は声が出なかった。
何年ぶりだろうか。
学校にもろくに行かせてもらえていなかったから
人と話すことが出来なくなっていた。
「…あっ……ぇ…っ、と…」
「…母さん達なら今いないから話してもいいですよね。」
「……は、い」
俯きながら話す。
足が震える。
「…兄さん。部屋に行って話そう。」
「……」
僕は黙って頷いた。
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