アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嘘
-
キ「ここか…」
俺らは今、黒い大きな扉の前にいる。
フジの声のした方へ行ってみると、その扉があった。
大広間の奥。
とてつもない存在感を放つその扉。
この向こう側にいるのか…
なんとなくだが、嫌な気配がする。
額に嫌な汗が滲む。
ヒ「キヨ、大丈夫?」
こ「無理し過ぎんなよ」
キ「あぁ、大丈夫だ」
扉を押し開け、中に入る。
中は真っ暗で何も見えない。
しばらく進むと、さっきまで開いていた扉が大きな音を立ててひとりでに閉まった。
その音に驚き、3人とも後ろを振り向く。
ヒ「扉が……無い…………」
先程まで確実にあった筈の扉がなくなっていた。
その事に唖然としていると、後ろから声がした。
?「やっと来てくれたんだね」
振り向くと、そこにはフジがいた。
こ「フジ…!」
ヒ「大丈夫なの…?」
フ「うん、大丈夫だよ」
いつにも増して冷静なフジ。
その事にとても違和感を感じる。
なんでそんなに落ち着いているんだろうか。
普段のフジなら、泣いて飛びついくるだろう。
何か…おかしい……
フ「キヨ…?どうしたの?」
キ「いや…何でもない」
気の所為…なのか?
フ「はやくここから逃げないと」
そう言って俺の手を引っ張るフジ。
その横に、こーすけとヒラが並ぶ。
だめだ……
何故かはわからない
だが、そっちには行ってはいけない気がする。
キ「お前は…フジじゃない……」
ヒ「…キヨ……?」
こ「お、おい……」
やっぱり変だ。
今までフジと一緒にいて、こんな違和感を感じたことは無い。
コイツは…偽物だ……
フジは何も言わず、ただ俺を見る。
ヒ「キヨ…何言って……」
こ「どうしたんだよ…」
キ「だっておかしいだろ。あのフジがこんな状況でこんな冷静なわけない。それに、フジこんな無愛想じゃない。こんな状況なら、泣いて飛び付いてくるだろ」
そう言うと、こーすけとヒラは少し距離を置き、フジに目線を向ける。
一方フジは黙ったまま俯いている。
キ「…何とか言えよ」
するとフジはゆっくりと顔を上げる。
その表情は、フジがする筈のない狂気的な笑みだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 24