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頭がぽわぽわする。
ぼーとして目が開けられない。
……なんだ俺、寝てたのか。
あれ、なんかいい匂いする。
なんの匂いだこれ。
…ん?足になんか当たってる?
っつーかあれ?俺なにしてたっけ?
俺は重たい瞼を開けた。眩しい。
天井を見つめてボーとする脳みそで記憶を辿る。
「ホストと飲んでた!!!!」
バッと体を起こすと俺は知らない部屋で
ベッドにホストと一緒になって寝ていた。
おい嘘だろ、
いい匂いするなと思ったのはこいつの髪の毛の匂いで足に何か当たってるなと思ったのはこいつの足だったのか…。
シニタイ。
つーかここどこ?なんなの?
「んん〜?…あ、おはよう景くん。もう起きたの?はやーい」
「おはよう…ございます。っつーか…ここどこですか」
「あ、ここ?俺ん家だよー」
「なるほど…」
俺ん家ってことはこいつの家ってことか。
なんだ、良かった一瞬ホテルかと……。
って
「あんた友達宣言しといてなに勝手に家に連れ込んでるんですか!」
「だって景くん酔いつぶれちゃったんだもんー、もしかしてお酒弱い?」
「あんたが酒に強すぎるんだよ!…つーか、あんた俺の家知ってますよね?」
「………でも手は出してないよ?」
「確信犯じゃねーか!」
ホストとは1日にどのくらい酒を飲むのだろうか。
俺は酒は弱い方ではないと思っているけれどこいつ全然酔ってなかったな。
途中から記憶がないから最後まで酔ってなかったかは知らないがここまで俺を店から連れてこれたという事はそこまで酔っていなかったのだろう。
「でもでも!隣で寝ても手出ししてないし逆に友達宣言的な?………ダメ?」
「……今回だけですよ」
まぁ一応酔っ払った俺を介抱してくれたみたいだし。実際に何かされたわけでもないし今回はいいか。
「でもあれだねー、寝顔もかっこいいね景くん」
「はぁ?」
「バッチリ目に焼き付けちゃった!」
やっぱり許すの辞めようかな。←
「あ、今何時かわかる?」
「朝の7時ですよ。俺帰って用意して会社行くんでもう帰りますね」
「えー、帰っちゃうのー?さみしーい」
「今日は仕事行くって約束しましたよね?」
「うえー、覚えてたの?行くってば怒んないでよねー!」
軽く身支度を整える。
ネクタイなんていつ外したんだ俺。
寝苦しくて外したのかもな。
ネクタイを結んで鞄を持った。
「なら、ちゃんと仕事行くように。帰りますね」
「気をつけてね、ばいばい景くん!俺は仕事までもう少し寝るよー。じゃないと体もたないし」
「そうですか、じゃあおやすみなさい」
ドアを開けて外に出ると目の前にエレベーター。窓から下を見下ろすと何階かはわからないけど高いことがわかる。
「何階なんだよここ」
エレベーターが付き一階のボタンを押す。
…って最上階かよ。
25階建てマンションの最上階ねえ。
さすがホストじゃねーか。
嫌味な野郎だな。
1人のくせにこんなでっかいマンションなんか住んで。
でもいいなー、一人暮らし。
親が過保護なのときっかけがなかったことから俺はずっと実家暮らしだ。
会社も同じだし高校も大学も家から通える距離だったたし引っ越す理由もなかったからな。
もう俺も21歳だしそろそろ一人暮らしした方がいいよなぁ。っつーか自立するべきだよな。
今まで勉強もスポーツも1回やればすぐに身についた。特別努力しなくてもやれば出来た。
でもやっぱり今の会社に入社できたのは親のコネなんじゃないかと考えてしまう。
同期入社で俺のことを気にいらない奴からはそうやってよく言われてきたしそろそろなぁ。
こうやって考えると、理由は知らんがホストをやって稼いで自立してるあいつの方がえらく立派に思えてくる。
そういえば俺はあいつに礼も言わずに出てきたんだよなぁ。
…………。
『翼、今日はすまんな。ありがとう』
一応これだけラインを送り駅までの道を俺は歩いた。
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