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「貴方がかの有名な戦艦ヴァルキリアの所有者であるセツナ・ワーリアント殿ですか」
その声は広間の全体にまで響き渡り、それを聞いていた貴族たちは呆気にとられた。
「無敵の戦艦ヴァルキリア?」
「天空国の所有ではないのか」
「個人の所有だと?」
無敵戦艦の個人所有は色々と危ないため、一応はアーシリアの所有艦ということになっている。そしてこのことはアーシリアでもトップシークレットとされており、一部の人にしか知られていないはずだ。
「ははっ、それはどういう事ですかな?」
いきなりの事で反応が鈍った俺の代わりにカカリアが返事をしてくれた。
「いや、ただ…ある筋からそういう噂を聞きましてね」
「ロシアンユ殿、無敵戦艦は我が国の宝であり、最高責任者は我が君です。それ以上は我が君への冒涜とみなしますよ。噂は噂です。それ以上もそれ以下もありません」
我に帰った俺がそう言い返すとロシアンユは握っていた手を離して、何か言おうとしていた。が、それはカカリアさんによって阻まれた。
「大変申し訳がありません。少々、シラケてしまいましたね。今回のところは失礼致します」
その言葉にウーシテルとサンシャは皇子に向かって一礼して広間の扉の方に向かっていった。俺とカカリアも一礼して二人に続いた。
「国の第一機密事項だぞ。何故にバレている。公には、あの戦闘艦は国の所有だ。個人所有だと、わかった貴族たちの目…自分たちの王様に土産話が出来たと喜んだ顔だった。
一国が相手だと下手に手を出せなかったが、貴族の個人所有だとわかれば狙ってくるバカな国もたくさんある」
あぁ、誤魔化したとはいえ、狙ってくる国は増えるだろう。
しかし、ロシアンユ…あいつは何が目的なんだ?そんな重要な情報をこんな人のたくさんいるところで言うなんて…
「チッ、流石に対魔法用の防護シールドが貼られてるぽいな。転移で飛行艦の空港に行くのは難しいな」
ウーシテルが顔をしかめて言ったと同時に広間の扉が勢いよく開けられた。
「王様っ!大変にございます!!
グレイリア皇帝国が……攻めて参りました!」
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