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セツナ「我が艦は、只今より、アーシリア天空国に帰還します。
しかしながら、混乱を避けるために、皆さん、扉の前に一列にお並びください。
私は、アーシリア天空国の第四貴族、セツナ・ワーリアントです。戦艦ヴァルキリアの艦長をさせていただいています」
俺が指示を出すと、国民は一列に並んだ。服の汚れたものから、金持ちの人までもが、喧嘩せずに一列に並んだのだ。
他の国では、信じられない行為だな。
プルルルル、プルルルル
耳元の小型の通信機が鳴った。
チッ、どっかで混乱でも生じたか?
通信機の上の部分にあるスイッチを押した。
「“艦長!こちら、通信士のサイカです。皆さん、水が足りていないようなのですが……どうすればよろしいですか?”」
生きる上で、大切なものの不足か。
あと、一時間かそこいらでつくが、はてさてそれまで持つか否か…。
セツナ「“はぁ、水を発動させる。もちろん、飲み水だ。各フロアの担当者が取りに来い。手伝いを使ってもいい。通達しておけ…”
はぁ、グレリア殿!お手伝い願いますかな?」
グレリア「あぁ、我にできることならば、何でもやるぞ」
セツナ「俺が、飲み水を発動させますので、ペットボトルに入れて、渡してあげてください。この魔法、発動者は手が離せないんですよ笑笑」
グレリア「ペットボトルに?わかった。これを来た者に配れば良いのだな」
はっきりいって、水魔法は不得意の分野に入るんだが、しょうがない。
セツナ「〈モード、水の舞姫〉」
水色を基調とした巫女の装束のような服になった。女よりの服だが、男物の服だ。
セツナ「来い〈水扇子〉」
俺は、両手に現れた扇子を持ち舞ながら、唱えた。
セツナ「〈命の水〉」
俺の周りに現れた水を丁寧にペットボトルにつめていくと、来たものに渡していった。
グレリア「主で最後だな?
セツナ・ワーリアント殿、最後の者に水を渡した。その、妖麗な格好をどうにかしてくれ……!」
最後の人にペットボトルを渡すと、俺の方を見ずに、顔を赤くして言ってきた。
何だこの王様は、俺様じゃないのか?純情ボーイかよ!
セツナ「〈モード、解錠〉」
グレリア「服を着たか?」
グレリア殿は、恐る恐るこちらに、顔を向け、俺がましな服を着ていることにホッと安堵した表情をした。
プルプルプル、プルプルプル
ピッ
通信♂「“艦長、艦内の人が思っていた以上に多く、ヴァルキリアのスピードが出ないようです。しかし、遅れてはいるものの、あともう少しで着きますので……”」
セツナ「“了解した”」
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