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暗い世界 side*藍
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ドンドン、ドンドン
……あぁ、またか。
ドンドン、ドンドン
今借りているマンションの部屋のドアが、うるさく響く。
何度も何度もドアを激しく叩き音は、一向に鳴り止まず、迷惑なものだった。
ベッドの中で寝返りを打ちながら、ただぼんやりと壁を見つめる。
ドンドン、ドンドン
ドンドン、ドンドン
ドンドン、ドンドン
……ガチャ
鍵の開いた音がした。
普通なら恐怖感に襲われて、身体はガタガタと震え出すはずなんだろうけど、こんなことに慣れている俺は、なんら変わった反応もしない。
ただ、ゆくままに流されるだけだ。
「何度も呼んだのに、どうして出てきてくれないわけ?」
気づけば、俺の部屋のドアを開け、中に入ってきていた。
怒りを滲ませたその声に、俺はため息を吐きながら、ベッドからゆっくりと起き上がった。
「どうして俺が、あんたを部屋ん中に入れてやんなきゃなんないわけ。……それに、そうやって毎回毎回勝手に入ってくるなら、何度もドアなんか叩くなよ。近所迷惑だ」
「どうしてお前はそう冷たいんだよ!俺はこんなにもお前のこと愛してんのに!」
相手が俺に詰め寄ってくる。
あぁ、鬱陶しい。
面倒くさい。
そんなこと、俺が知ったこっちゃねーんだよ。
「で?お前はまた何しに来たわけ」
俺が後頭部をガリガリと掻きながら、相手のことも見ずに冷たくそう言い放つ。
すると、いつの間にかすぐ近くまで近づいてきていた男は、俺の肩を乱暴につかんで、ベッドに押し倒してきた。
「っ!」
したがベッドであるから、痛みは感じないが、突然の衝撃に思わず目を瞑っていた。
目を開ける前に、男は俺に唇を重ねていた。
「……真宮……」
愛しそうに俺の名前を呼ぶ。
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