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「大輝ー、今日カラオケ行くけど来る?」
「わりぃ、バイト」
俺、七瀬大輝(ナナセダイキ)はいつものメンバーに誘われるが丁重にお断りする。
ほとんど毎日バイトの俺を誘ってれるなんて、いい奴らだ。
遊びたいのはやまやまなんだが、俺は遊んでなんかいられない。
なぜなら…
「ただいま〜」
「兄貴、お帰り」
俺には大事な弟がいるからだ。
ちなみに自分でも自覚してるが俺は極度のブラコンだ。
「陸〜!」
「うわっ」
疲れた体を癒すためにも、陸(リク)の体に抱きつく。
ああ可愛い俺の弟。
家には俺と弟だけが住んでいる。
両親は一応いるが、俺が物心ついた頃にはお互い愛人の家に住み着いてた。
生活費は初めに10万円置いていかれただけで、その後なんの仕送りもない。
だから働ける俺がバイトをしまくって稼いでいる。
陸はまだ中3だから働けねぇしな。
陸には家のことをしてもらっている。
…おっと、陸を堪能している場合じゃなかった。
バイトに行かねぇと。
「んじゃ、俺行ってくるな。後頼んだ」
「了解」
学校の荷物を渡してまた玄関に行く。
見送りに来てくれる弟に感謝をしながら靴を履いて、陸の方に向き直る。
「はい、いってらっしゃいのチューして」
その途端またか、と顔をしかめる陸。
残念ながら俺は嫌な顔されてもめげないぞー。
これは俺のなかでは毎日の日課だからな。
目を閉じて待っていると…、
「兄貴…、いってらっしゃい」
―――チュウ
唇を合わせてくる。
陸の方が背が高いため、少し俺が見上げる体制にならなきゃいけないんだが、いつも俺を気遣ってか首に手をそえて顎を少し持ち上げてくれる。
その時に俺の襟足を下から上へと髪の毛を撫でられるが、それがまた気持ちい。
嫌がる顔をする割には陸は毎日長めのキスをしてくれる。
あー、幸せだ。
ずっとこうしてたいわー。
親がずっといない分、俺がこいつを養っていかなくてはならない。
寂しい思いをさせてる分俺が愛してやらないと。
この思いが余計に俺をブラコンの道に進めたのかもしれない。
でもさでもさ、俺の弟、可愛いんだもん!
世間一般ではクールイケメンと言われている陸だが、俺からしたら俺の我が儘でも最終的には聞いてくれる可愛い可愛い弟だし!
それにしても…、今日、キス長いな。
どうしたんだ?
何かあったのか聞こうと口を開いた瞬間。
「んあっ、ハ…んんン」
―――クチュ
あろうことか舌を入れてきた。
え、え、え?
俺今までキスしてって言ってたけど、ディープは頼んでないぞ!
や、やばい。
すごく気持ちいい。
なんでこんなチュー上手いの?
あー、頭蕩けそう。
「ンッ…あ、ハぁ、んん」
気が済んだのか離してくれた陸。
いきなりの快楽にポーっと陸の方を見上げる。
「ふっ、兄貴可愛い」
「いきなり何して…。てか兄ちゃんに向かって可愛いってなんだよ!」
「ただ舌入れただけでこんなに厭らしい顔する兄貴は可愛いなぁーって思っただけ」
「い、厭らしい!?」
どんな顔してるんだ俺!
「バイトいつも頑張ってくれてる兄貴にご奉仕しただけだよ。ほら、いってらっしゃい」
「あ、ああ。行ってきます…」
半ば強引に家の外に押し出され、バイトへと促された。
初めてあんなチューしたな…。
生まれてこのかた陸としかキスしたことないけど、それでも分かる、陸のキスの上手さ。
中三のくせしてやるじゃねえか。
でも、愛されてるって感じしたなあ。
そんな陸のために今日もバイト頑張るぞ!
この時、陸がどんな気持ちであんなキスをしたのか、全く知らなかった。
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