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リサの家
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「旅人さん!旅人さん!」
「リサ、落ち着きなさい。すみません旅人さん、お疲れでしょう?」
「いえ……あぁ、こら。勝手に道具箱開けようとしないで。開けられないだろうけど」
リサと呼ばれていた少女の家は両親とリサと生まれて間もなさそうな弟。全員長い耳が生えていた。
「旅人さん……酒は飲めるかい?」
「少しだけなら」
父親らしい人に酒を勧められる。あまり飲まないようにしているが、飲めるときは飲みたい。
「……林檎酒ですか」
「わかるのか。はは、旅人さん」
「トーマでいいよ。旅人って呼ばれるのはどうも疲れる」
父親は出稼ぎで大工をしているらしい。今日は休暇をもらえたので帰ってきたら旅人が居たと言う事だ。
「パパ!旅人さんとお話したい!」
「旅人さんじゃなくて、トーマでいいよ。えーっとリサちゃん?」
「旅人さん、この子に祝福をくださいませんか……」
「自分なんかでよければ」
この村には旅人から祝福を受けた者は幸福が訪れるらしい。古い言い伝えだな。
「トーマさんは技師としてこちらに?」
「まぁ……旅をしながら。職業印があるでしょう。それのお蔭で行く先々で仕事にありつけます」
「技師の職業印は見たことが無いな。俺のは大工だから……」
「マントに刻んでますよ。自分は代々技師の家系なので技師として確立してます」
「へー俺もだ」
ただ、一般的な技師の職業印とは少しだけ違う。表向きは普通の技師の印だけど、家系として確立している自分は見えないところに……家紋が刻まれている。アティフィカー家の。
何処かって?内緒。
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