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西の国のオウサマ
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「陛下、昨月の納税率は同様に変化はありません」
「そうか。万が一でも誤魔化す輩が居たら直ちに引っ立てろ」
「陛下、港町から真珠の便りが届いております。今年の真珠も大粒で美しいものが収穫されたと」
「そちらもいくつか献上させるよう手配しておけ」
まったく……十日に一度行われる会議だが、退屈で仕方が無い。なにか起きないかと毎度思ってしまう。
「陛下……お耳に入れたいことが」
「何だ」
「半端者の村……マハザ村に旅人が滞在していると」
「何、旅人だと?」
この国では古くから旅人は知恵と幸福の象徴であるとされる。旅人が訪れた国は幸福が次次と舞い込むような国に発展するという言い伝えだ。
「その旅人は数日前、東の国の城下で目撃されております。職業印は技師だったそうです」
「技師の旅人だと?」
技師が旅をするのは珍しい。行商でもない限り、一箇所にとどまる仕事ではないのだろうか。
「見つけ次第、即刻連れて来い!少々手荒にしても構わん。ただし、殺すな」
「はっ」
技師の旅人よ、我が西の国で盛大にもてなしてやろうぞ。
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