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探し人
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「探されてる?」
「うん。だってこれ、旅人さんでしょ」
西の国での依頼の帰りに同じ店に入った楽士に見せられたのは特徴の一致する内容の記された羊皮紙。
旅人で技師。容姿云々が記されている。
「西と東のオウサマ達が血眼で捜してるからね。僕としてはどうでもいいんだけど、これでも城には何度か呼ばれてるからね」
「へぇ。んで、そのオウサマ達が何の用だろな」
暇じゃねぇのによー……明日はヒスイさんの義足を診る約束だ。
「旅人さんって、めんどくさがりでしょ」
「アタリ」
「やっぱり」
頼んだ料理を口に運びながら楽士がどこか楽しげに笑う。
「僕もめんどくさがりだからね」
「奇遇だな。楽士」
「マオトだよ。ここらじゃ楽士で通ってるけど」
「トーマだ。旅人って呼ぶ奴も多いけどな」
「よろしくトーマさん。多分僕より年上でしょ」
「さぁな」
年齢なんて、いちいち気にしてられるか。
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