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「できたぞ」
「……なんか、違う?」
「当たり前だ。昨日までガランドウだったんだぞ。その義足」
「ガランドウ……って何?」
「キョクトの言葉で、中は空洞って意味だ」
早速ヒスイの脚につけるために脚を出してもらった。男性にしては細く、色も白い。
「……動かせるか?」
「あ、軽い」
「当たり前だ。お前、印刻んでただろうけどずれてたままだったからな。微調整するからそのまま」
ネジを緩めたり締めたりパーツを変えたりして、何度か膝を曲げてもらう。
「立ってみろ」
「……わ、すごい、ぴったり」
「当たり前だ。歩けるか?」
そっと足を踏み出したヒスイが、軽く部屋を一周して戻ってきた。顔は歪んでいない。
「すごく良いよ!本当の脚みたい!!」
「そりゃよかった。手入れはアカネにも叩き込んだが、しばらくはこの国に滞在してるし、月1で見てやるよ」
「いいの?あ、でもやっぱりお金かかる?」
「手入れにはかけねぇよ。むしろ手入れ怠ってパーツ変える方が金かかるからな。手入れは挿し油代だけだ」
「だってさ、ヒスイさん」
これで仕事に支障は無さそうだな。と付け足しながら道具を片付け始めた。減った材料もまだ補充しなくて大丈夫そうだ。
「と、トーマさん!」
「……なに?」
「ありがとうございました!」
アカネが頭を下げていた。ヒスイでもなく、アカネが。
「俺、技師じゃないからヒスイさんの義足見ても如何しようも出来なくって、すげー悔しかったんです。だから、だから」
「だから、なんだ?礼ならもう聞いたぞ」
「……っ」
「それと、アカネ。何か続けたい言葉があるなら、ヒスイを大事にしてやれ。技師じゃなくても手入れくらいできる。お前はそうやって支えてやれ。いいな?あ、店まだやってるなら夕飯いいか?腹減った」
割と真面目に言うと、二人揃って噴出しやがった。
「夕飯、準備してますよ。良ければっては思ったけど……」
「助かる。帰ったら即行で寝るわ」
「泊まってく?俺、ヒスイさんの部屋に行くから」
「そこまでは気にするな。流石に帰る」
だってこいつら、恋人同士だろ。見てて判ったわ。
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