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東の国からお呼び出し
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東の王に呼び出しを喰らった。しかもご丁寧に馬車に乗って本人自ら……と言う訳にはいかず、御者と従者と数人の兵士に囲まれるようにして馬車に乗るように言ってくる。
「ちゃんと今日中には帰ってくるから、ホラ、な?」
「トーマ、約束破るんだもん……」
「悪かったって。ホラ、東のオウサマがどんな奴か知らないけど泊められそうになったら振り切ってでも帰ってくるから。ホラ泣くなって。あー……」
しがみついて離れない子供達に言い聞かせるがまるっきり聞いてくれない。それどころか駄々を捏ね始める奴も出てきた。
「わかった、わかったから。んじゃあリマとタオ。これ預かってくれ」
二人に渡したのは腕と首に着けていた装飾品。
「俺のお守りの一つ。帰ってくるまで預かっててくれ。今日帰ってこなかったらお前らが好きにしていいから」
「いいの?」
「ん。じゃ、いってくるなー」
頭を撫でてやり、従者達の待つ馬車に乗り込む。動き出した馬車から少しだけ顔を出すと見えなくなるまで子供達が手を振っていた。
「って訳で、今日中に返してもらうからな」
「わかりました。ですが、王様がお決めになる事ですので」
「その時は振り切ってでも帰るから。約束したし」
さて、東のオウサマってのを拝みに行きますか。
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